顧客満足度(CS)を高める4つの手法│重要性や業界別の事例も紹介


顧客満足度(CS)を高める4つの手法│重要性や業界別の事例も紹介

企業が成長を続けるためには、顧客満足度の向上が欠かせません。顧客満足度は、商品企画・開発や、マーケティングなどに活用できます。この記事では、顧客満足度の調査・活用方法を知りたい担当者に向け、顧客満足度を高めるべき理由や、満足度を高める具体的な手法などを解説します。業界別に顧客満足度を向上させた事例も紹介するため、お役立てください。

関連資料:NPS®を“単なる調査結果”から“真の変革起点”に

顧客満足度(CS)とは?

顧客満足度(Customer Satisfaction 通称:CS)とは、商品やサービスの利用に伴う顧客の感情です。商品がよいパフォーマンスを発揮したり、サービスを提供するスピードが迅速であったりすると、顧客満足度の向上が期待できます。顧客満足度が高まると、企業は売上げを伸ばせます。


顧客が商品やサービスに不満を抱える理由

期待値とは、初めて商品やサービスを利用する顧客の期待です。他社と比較して商品やサービスに落ち度がなくても、期待値が高すぎると顧客満足度が低下するおそれがあります。期待値を調査する方法として、統計データの活用・アンケート調査の実施・顧客への個別ヒアリング・オンラインによる情報収集などが挙げられます。


顧客満足度が重視される理由

顧客満足度が重視される理由を3つ紹介します。企業を成長させるために、顧客満足度を高めましょう。


差別化を図るため

顧客満足度の調査結果を分析すると、自社の弱点と長所が浮き彫りになります。差別化戦略により自社の強みを明確にアピールできれば、類似商品・サービス間の価格競争を回避可能です。また、多少価格が割高になったとしても、賞品やサービスが顧客のニーズにマッチすれば、受け入れてもらえる可能性があります。


LTV向上のため

顧客満足度の向上は、LTV(Life Time Value)の向上も促します。LTVとは、顧客一人が生涯を通じて企業に投資する金額です。顧客満足度が高ければ、顧客は継続して商品やサービスを利用し続けます。


新規顧客を獲得できても、リピーターになってもらえなければ企業の売上は伸び悩みます。アフターフォローを充実させる、リピーターならではの特典を用意するなどしてLTVを向上させましょう。


新規顧客獲得のため

顧客満足度が向上すると、企業や商品を勧める人も出てきます。特に、オンラインの口コミは、不特定多数の目に触れるため効果は絶大です。また、企業と関係ない個人の投稿は、企業の宣伝・広告よりもユーザーに好意的に受け止められます。


顧客満足度を調査する主な手法

顧客満足度を調査する方法は、2つに大別できます。アンケートとインタビューにより顧客の気持ちを探りましょう。


アンケート

アンケートにはさまざまな手法が使えます。オンラインでは、顧客のメールやSMSのほか、Google フォームのようなアンケートフォームも使ったデータの収集が可能です。電話やハガキなどのオフラインの手法、外部のリサーチ会社も利用して多くのデータを集めましょう。意見の偏りを防ぐためにも、複数の手段でアンケートを実施してください。


インタビュー

アンケートで大まかな意見が出揃い次第、より深く掘り下げたい内容に絞ってインタビューを実施しましょう。ただし、インタビューでは、顧客が本音を話すとは限らない点に注意する必要があります。また、一つの意見を鵜呑みにせず、複数の観点から自社の強みや課題を分析することが大切です。


顧客満足度を測る主な指標

顧客満足度には、いくつかの指標があります。NPS®︎を顧客満足度に含めない考え方もありますが、本記事ではNPS®︎も顧客満足度の指標の一つとして紹介します。


関連記事:顧客満足度調査(CS調査)の方法や指標、満足度アンケートの作り方を解説


NPS®︎(ネットプロモータースコア)

NPS®︎とは、企業や商品・サービスに対する愛着度の測定に役立つ指標です。NPS®︎を測定する際は、「この企業や商材を、どの程度おすすめできるか」と顧客に問いかけます。顧客はおすすめの度合いを、0〜11段階で点数を付けます。0〜6点の人は不満足、7〜8点の人は中立、9〜10点の人は満足として、顧客を3つにカテゴライズしましょう。以下の式に顧客数を当てはめると、NPS®︎を算出できます。


NPS®︎(%)=満足している人の割合(%)-不満足な人の割合(%)


企業や商材について好意的に捉える人が多くなるほど、NPS®︎は大きくなります。NPS®︎のメリットは、顧客満足度の数値化が可能な点と、収益のネックとなるポイントを絞り込める点です。


関連記事:NPS®︎とは?ビジネスで活用するメリット、調査方法、導入のポイントを解説


CSI(顧客満足度指数)

CSI(Customer Satisfaction Index)は、顧客満足度指数とも呼ばれ、顧客の総合的な満足度を数値化した指標です。通常、製品やサービスの品質、価格、対応、アフターサービスなど複数の要素について5段階や7段階評価を行い、それらを加重平均して算出します。

CSIの特徴は、満足度を構成する要素ごとの評価が可能な点です。例えば「価格に対する満足度は高いが、アフターサービスへの満足度は低い」といった具体的な分析ができるため、改善すべき領域を特定しやすくなります。また、継続的に測定することで、改善施策の効果を確認することも可能です。多くの企業では独自のCSI指標を開発し、自社の状況に合わせた顧客満足度測定を行っています。

JCSI(日本版顧客満足度指数)

JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)は、日本版顧客満足度指数と呼ばれる、サービス産業における顧客満足度を測定するための日本独自の指標です。サービス産業生産性協議会が2009年から毎年調査・公表しており、業界間や企業間の比較が可能な標準化された指標として活用されています。

JCSIでは、「顧客期待」「知覚品質」「知覚価値」「顧客満足」「推奨意向」「継続利用意向」の6つの要素を測定し、これらの相互関係から顧客満足の構造を分析します。満足度だけでなく「推奨意向」と「継続利用意向」も測定していることが特徴で、顧客ロイヤルティとの関連性も明らかにできます。JCSIのデータは業界標準値として公開されているため、自社の位置づけを客観的に把握するベンチマークとしても有効です。

顧客満足度を高める4つの手法

カスタマーサクセスに加え、社員にも配慮して顧客満足度を高めましょう。顧客満足度を高める4つの手法を解説します。


カスタマーサクセスの実現

カスタマーサクセスとは、自社の利益よりも顧客の満足感を優先する考え方です。カスタマーサクセスでは、顧客が不満に思うであろう点を先回りして解消します。カスタマーサクセスを実現するためには、詳細な顧客情報が必要です。以下では、カスタマーサクセスに役立つツールを解説します。


ツールの活用

カスタマーサクセスには、CRM・SFA・データマイニングツールが役立ちます。CRMとは顧客情報を管理するツールで、顧客の個人情報や購入履歴・アクセス履歴などを網羅的に管理できます。CRMにはメール一斉配信や、オンラインアンケートなどの機能も搭載されており、顧客満足度の調査にも活用可能です。


SFAは、営業活動をサポートするツールです。SFAを導入すると、部門内での情報共有や役割分担に役立ちます。データマイニングツールは、SNSや営業日報、問い合わせログなど多くのデータを分析し、顧客の本音を浮かび上がらせます。


商品やサービスの改良

商品の品質や機能の向上・サービスの充実・明快なマニュアルの作成・購入プロセスの簡略化なども、カスタマーサクセスにつながります。顧客の期待度を上回る商品やサービスとなるよう、改良を試みましょう。


従業員満足度の向上

社員が働きやすい環境を整えると、仕事へのモチベーションやサービスの質が向上します。企業に貢献したい、企業や商品のよさを大勢に伝えたい、という社員の気持ちを、顧客満足度の向上につなげてください。


【業界別】顧客満足度向上の事例

株式会社プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」は、テキストマイニングツールとして多くの企業に導入されています。業界別にツールの導入事例を紹介します。


【医療・製薬】ロート製薬株式会社

ロート製薬株式会社は、ヘルス&ビューティー事業を展開しています。同社では、お客様サポートセンターやSNSの膨大なデータを活用できていませんでした。見える化エンジンの導入後には、 顧客の意見をリアルタイムに捉えられ、競合との差別化を実現しています。


参考:56,000件のお客様の声分析でも見えない本音がリアルタイムで浮かび上がる見える化エンジン活用法


【メディア・通信】株式会社WOWOWコミュニケーションズ

株式会社WOWOWコミュニケーションズは、コンテンツの制作・調達・配信に関わっています。同社の課題は、ソーシャルリスニングでした。見える化エンジンの導入後、同社は、SNSから顧客に響くキーワードを抽出できるようになりました。キーワードをもとに、コンテンツのプロモーションを成功させています。


参考:「見える化エンジン」の導入の効果


【メーカー】雪印メグミルク株式会社

雪印メグミルク株式会社は、牛乳・乳製品及び、サプリメントや健康食品の製造・販売を手がけています。同社も、ソーシャルリスニングが課題でした。見える化エンジンを使えば、マッピングやレーダーチャートなどで顧客の意見の傾向を明確化することが可能です。商品担当者も気がつかない商品の活用法を把握でき、商品やサービスの開発に展開できました。


参考:テキストマイニングを使った攻めのVOC活用で真の「消費者重視経営」実現を目指す


【交通・インフラ】スカイマーク株式会社

航空会社のスカイマーク株式会社は、搭乗後アンケートを見える化エンジンにより分析しました。見える化エンジンは、データ分析に不慣れな人でも簡単に操作でき、分析データを有効活用できます。コロナ禍で顧客満足度が低下したときには、原因を早急に突き止められました。


参考:2020年度JCSI(日本版顧客満足度指数)調査「国内長距離交通部門」第一位を獲得したスカイマークが実践するCS推進室の役割と現場での取り組み


まとめ

顧客満足度を向上させるには、アンケートやインタビューによる顧客ニーズの把握が欠かせません。顧客の期待値や不満度を調べるならCSIやJCSI、商品やサービスの顧客ロイヤルティを知りたいならNPS®︎のように、目的に応じて適切な指標を選定します。調査においては質問の内容も重要になるため、実現可能な施策をイメージして質問を考えましょう。質問数が多いと顧客が回答する意気込みが低下してしまうので、質問を絞り、シンプルな調査にすることがポイントです。カスタマーサクセスの実現が、顧客満足度向上の鍵となります。


AIを搭載したテキストマイニングツール「見える化エンジン」

カスタマーサクセスのためのアンケートと分析を同時に行うなら、テキストマイニングSaaSツールでシェアNo.1を獲得している「見える化エンジン」がおすすめです。定性データからペルソナを生成できるAIインタビュー機能のほか、アンケート調査、インタビュー調査、ソーシャルリスニングなどを効率よく実施でき、調査結果の効果的な活用を強力に支援します。累積顧客導入数は1,600社以上で、手厚いサポートと、専門の分析コンサルタントによるコンサルティングを受けられます。

見える化エンジン」は瞬時に一般消費者にアンケートを取る機能を搭載しており、取得したアンケートはテキストマイニング技術と見やすい分析アウトプットにより、すぐに分析と改善が可能となります。顧客満足度向上のためにツールの導入を検討されている方は、ぜひ資料請求/無料デモ体験/お問い合わせをご検討ください。

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