コールログとは?分析する目的や方法・ツールを利用するメリットを紹介


コールログとは?分析する目的や方法・ツールを利用するメリットを紹介

コールセンターでは、コールログが蓄積されています。コールログをしっかりと分析することで、マーケティングに活用できるため、コールログは重要な情報だといえるでしょう。この記事では、コールログの活用を検討している人に向けて、コールログの分析について解説します。分析する目的や方法なども解説するため、参考にしてください。

コールログとは

コールログとは、その名のとおり電話の記録です。コールセンターには日々、多くの顧客からの声が寄せられます。顧客とのやり取りや対応情報などを総称したものが、コールログです。


どのような内容がコールログに含まれるかは、コールセンターによって異なります。パソコンに記録された通話履歴や顧客への対応情報をコールログとするケースもあれば、顧客との通話録音そのものをコールログという場合もあるようです。


コールログを分析する目的コールログ分析の目的としては、以下が挙げられます。


・コールセンター業務の改善

・顧客対応の品質向上

・ニーズや問題点の把握

・顧客属性の把握

・オペレーターの定量的評価


コールログを分析することで顧客への対応を客観的に把握できるようになり、顧客対応の品質アップやコールセンター業務の改善に役立てられます。顧客の反応や満足度なども分析できるため、オペレーターの評価を定量的に行うことも可能です。


また、よくある問い合わせなども把握でき、商品やサービスの問題点、ニーズなどを洗い出せます。顧客属性を把握し、マーケティングに役立てるという目的もあります。


コールログ分析の現状

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によって、近年では企業のデータ活用が増加傾向にあります。実際に、総務省の「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究の請負報告書」によると、入電ログや音声データ、SNSへの投稿データなどの企業活用は、5年前よりも2倍以上に増えているという結果が出ています。


コールログ分析をさらに有効活用するためには、情報をリアルタイムに分析できることが重要です。終話後すぐに分析できることで、対応の改善やニーズ・問題点の把握などがスピーディーに行えます。また、さまざまな分析を用いたり、複合的に分析したりすることで、情報活用の底上げを図ることも求められています。


コールログ分析方法

コールログの分析は、どのような方法で行えばよいのでしょうか。ここでは、「KPI分析ツールを利用する」「テキスト取得補助ツール」「テキストマイニングツールを利用する」という、3つの分析方法について解説します。


KPI分析ツールを利用する

KPIとは、「Key Performance Indicator」を略した言葉で、日本語では「重要業績評価指標(または重要達成度指標)」となります。目標達成までのプロセスを数値化し、達成度を測る指標であり、Webマーケティングや小売業、製造業、営業など幅広いシーンで取り入れられている指標です。


KPI分析ツールとは、データを定量的に蓄積や分析できるものです。KPI分析ツールによって、インバウンド型コールセンターの顧客ニーズ把握やオペレーターの業務改善などが行えます。具体的には、コールセンターへの入電数や保留時間など、数値化できるデータ収集が可能です。


定量評価に活用できるため、数値によるオペレーターへの評価や指導、業務改善施策の立案などが行えるようになります。


テキスト取得補助ツール

KPI分析を行うためには、音声データをテキスト化できる補助ツールを用意しなければいけません。音声データをそのまま使うことはできないため、音声認識ソフトなどのテキスト取得補助ツールを利用することになります。


FAQシステム

FAQシステムとは、顧客からの問い合わせなどを分析し、よくある質問と回答をまとめて掲載するものです。顧客がどのようなFAQを検索しているのかなどを分析する過程で、テキストデータを取得できるため、KPI分析にも役立ちます。


テキストマイニングツールを利用する

テキストマイニングとは、テキストデータを分析し、必要な情報を抽出する技術の総称です。テキストマイニングでは自然言語処理を用いて、非定型の文章を単語に分解して、出現頻度や関係性を統計的に分析します。


テキストマイニングツールは、テキスト化したコールログをさらに詳しく分析する際に有効な手法です。これにより、顧客のタイプや時期による特徴などがつかみやすくなり、顧客ニーズの把握に役立ちます。


たとえば、「30~40代の女性はこのような商品を求める傾向がある」「春にはこの商品のニーズが高まる」などの、バラバラだったテキストデータを属性や要素と紐づけられるため、顧客対応の迅速化や顧客満足度の向上などにつながります。


コールログ分析の活用例

コールログ分析を活用したいと検討していても、実際にどのように活用するべきかわからないケースもあるでしょう。ここでは、コールログ分析の活用例を2つ解説します。コールログ分析活用に役立ててください。


顧客のニーズを理解する分析

顧客からの商品やサービスに対する問い合わせ、保守に対する質問やクレームなどを受け付けるインバウンド型コールセンターでは、顧客のニーズへの理解を深めることが課題でした。


顧客ニーズを理解するには、どのような内容の問い合わせが多いのか、どのような回答だと満足度が高くなるのかを分析することが重要です。まず、コールログを分析することで、どのような内容の問い合わせが多いのかが把握できます。問い合わせ数の多いものを優先的にFAQに掲載することで、問い合わせ件数を減らすことが可能です。


問い合わせが一部の製品やサービスに偏っている場合は、製品やサービスにわかりにくさや使いづらさがないか見直しを行いましょう。また、回答への満足度を分析することで、FAQの品質向上やオペレーターの対応品質アップなどにつながります。


顧客への効果的なアプローチ方法を理解する分析

企業から顧客に対して電話をかけるアウトバウンド型のコールセンターの場合は、顧客への効果的なアプローチ方法を把握することが課題でした。効果的かつ適切なタイミングなどでアプローチしなければ、サービスの紹介などができない、もしくは電話に出てもらえない可能性もあります。


そのため、顧客が電話に出やすいタイミングやコミュニケーションを取りやすい時間などを分析することが求められます。コールログ分析では、「発信回数」や「電話に出た回数」「着信の待ち時間」「通話時間」「商品購入数(サービス登録数)」などの把握が可能です。


これらを総合的に分析することで、相手が電話に出やすいタイミングを把握することができ、効果的なアプローチ方法や成功パターンの抽出に役立ちます。


コールログ分析にツールを利用するメリット

コールログ分析にツールを利用することで、潜在的なニーズや未充足ニーズの収集が可能です。また、グラフなどで分析結果の出力ができるツールを用いれば、データの作成工数を削減できます。通常業務を行いながらデータの収集や分析ができるため、担当者の負担も軽減にも役立つでしょう。


データを視覚的かつ直感的に理解しやすい状態にできる点もメリットです。たとえば、折れ線グラフや棒グラフ、問い合わせ内容などのランキング化、マッピングなど、さまざまな形でアウトプット表示できるため、分析結果の見える化が図れます。


各部署との連携ができるツールを選べば、関連部署との連携もスムーズに行えます。分析結果の共有ができるため、企業全体で横断的な改善対応や、さまざまな改善アイデアなどの声の集約ができることもメリットです。 


まとめ

コールログを分析することで、コールセンター業務や顧客対応の品質向上、ニーズや問題点の把握などができ、マーケティングにも役立ちます。コールログ分析を行うなら、ツールを活用するとよいでしょう。


見える化エンジンは、問い合わせログの収集・分析はもちろん、音声認識ソフトとの連携により音声データから分析することも可能です。また、別サービスである「アルファスコープ」ではFAQシステムの提供をしており、FAQシステムとの連携で分析と改善をスムーズに行っていくことが可能です。