CS/CX推進者必見!大手企業が取り組む音声認識データを活用したVOC分析


CS/CX推進者必見!大手企業が取り組む音声認識データを活用したVOC分析

デジタル化における音声認識技術の進化に伴い、コロナ禍による企業の事業活動のオンライン化、DX、CX観点でのデータ活用、顧客体験の可視化等のニーズにより、音声認識市場は拡大が進んでいます。

しかし、音声認識の普及といっても、音声のテキスト化のみにとどまる企業も少なくありません。
いざ「音声認識データを有効活用しよう」となっても、「どうすれば…」と悩まれる担当者も多いのではないでしょうか。

そんな音声認識データにおけるVOC(顧客の声)分析でのお困り事を解決するため、VOCを収集・分析・活用する一連の動きについて、1600社のVOC分析・活用を支援する「見える化エンジン」のノウハウを紹介していきます。

企業を取り巻く音声データ(チャットボット含む)の種類と活用目的例

「音声データ」「会話データ」といっても、その種類はさまざまです。まず音声データの種類と、分析・活用にあたってのねらいを理解することで、音声データ活用に向けた視点を整理しましょう。

音声認識データの種類は、誰を対象としているかで2種類に分かれます。

対象が「社内」の場合、企業には会議議事録・社内研修・採用/評価面談などの音声データが蓄積されています。こうした音声データを分析することで、社員の特徴、ひいては自社の傾向を可視化することができます。

対象が「顧客」の場合、電話での問い合わせなどを中心とした顧客応対記録のほか、グループインタビュー・店舗接客・WEB商談・チャットなどの対話データが存在し、種類にあった目的を知ったうえで分析・活用することで、今まで知ることができなかった顧客体験の把握に役立ちます。

本記事では、活用が進んでいる「顧客応対記録」の音声認識データ活用について説明します。

大手企業が取り組む「音声認識データを活用したVOC分析」事例

既に音声認識を「蓄積」するだけでなく、企業活動に活用するためにはどうすればよいのか、手探りで進めている担当者も少なくありません。そこで、まず気になる「他社はどうしているのか?」について、音声認識データを分析している企業の事例をご紹介します。

事例1.大手メーカー

  • VOC分析の課題と目的
    • コンタクトセンターの後処理工数の削減のため音声認識システムを導入したが、データを蓄積するだけでなく、CS・CX向上施策に活用する必要性を感じていた
  • 取り組み
    • 音声データをテキスト化し、テキストマイニングによって可視化することで、問い合わせの主訴やその背景を見ることができるようになった
    • 会話の流れを把握することで、よくある問い合わせの流れや長電話の要因などに気づくことができた


事例2.大手BPO企業

  • VOC分析の課題と目的
    • コールセンターには膨大な量のVOCが集まるが、オペレーターが「応対履歴」として残せる情報や工数に限りがあった
    • クライアントの事業支援に貢献するため、多くのVOCに耳を傾け顧客のインサイトを丁寧に理解する必要があると考えていた
  • 取り組み
    • テキスト化されたVOCに顧客情報を紐付けることで、発言の傾向や購入回数などを軸に比較分析をするほか、言葉の言い回しから感情・ニーズを可視化
    • 音声認識データを活用することで、通常オペレーターが統一してしまうような言葉のニュアンスの違いや何気ない発話を取りこぼさず、より的確に顧客のペルソナを捉えることができるようになった


音声認識データの分析に取り組む企業の共通点は?

音声認識データを活用している企業2社の共通点を簡単にまとめてみます。

  • 分析の質・工数に課題を感じている
  • お客様の声を活用し、企業として提供すべき価値を再定義している
  • テキストマイニングツールを活用して顧客の声を活用し、商品企画・改善提案に繋げている


なぜデータ活用の先進企業はテキストマイニングツールを活用しているのでしょうか?
答えはテキストマイニングツールを活用することで、以下のことが実現できるからです。

  • 音声認識データだけでなく、アンケートやSNSなどのテキストデータも収集・一元化し、分析の工数を大きく削減できる
  • 定量集計だけでは分からなかった評価の理由や、インサイトを可視化できる


今回は音声認識データに注目してその活用方法についてご紹介しますが、テキストマイニングツールを活用してデータの一元化が実現されることで、分析の効率化はもちろん、複数データソースの掛け合わせも簡単にできるなど、分析を高度化することで「次の施策」に活かしやすくなります。

音声認識システムの導入目的と、必要な分析観点

音声認識システム導入にあたって、よくある目的は「後処理工数の削減・業務効率化」でしょう。ただし、効率化の後に必要とされるのは蓄積された膨大な音声認識データを有効活用し、「業務改善」や「CXへの転換」につなげることです。

まず、音声認識システムの導入目的と必要な分析観点について整理したものが下図です。

このように、音声認識システムによって残るお客様の声を「応対品質向上」や「顧客理解」に役立てるためには、よりリアルな感情や問い合わせの背景を知ることを目指した分析が必要とされます。

音声認識データと、従来の手打ちログとの違い

音声認識システムを導入するまで、オペレーターが人力でログを残していた企業も多いと思いますが、そもそもこの2つでは、データソースとしてそのような違いがあるでしょうか。

音声認識データとオペレーターの手打ちログとで、データを残す際のメリット・デメリットと、分析の目的別の違いについてまとめた表がこちらです。

①手打ちログ

手打ちログでは、オペレーターが要点をまとめてデータを残すため、問い合わせの主訴が簡潔に残り、話題の特定が容易である一方で、デメリットとしてはオペレーターに依存する面もある

②音声認識データ

音声認識データでは、会話内での感情や、些細な言い回しなどの表現などが、オペレーターのフィルタを通らずそのまま残るので取りこぼしが減り、情報量が増加する。一方で定型表現などの分析に不要な表現も含まれるので適したデータクレンジングが必要

音声認識データを分析・活用するための仕組みづくり

企業において、音声をテキスト化したデータを蓄積で終わらせず、具体的なアクションにつなげることのできる活用まで進めるなら、それを見るためのデータの処理や分析のアプローチを理解し、一気通貫で行える仕組みづくりを行うことが必要です。

以下は、基本的な音声認識データ活用の流れについてまとめた図です。

1.音声認識システムによる音声認識・テキスト化
音声認識データを収集し、話者識別・テキスト化をします。

2.音声認識データ活用に特化した処理
フィラーや定型文など、分析の妨げになるデータをクレンジングするほか、話者分離をすることで分析に必要なまとまりに整えます。

3.テキストマイニング(自然言語処理)
声活用の基礎となるコールリーズンの定量化、リスク検知、改善要望の抽出を実施します。

4.「会話の流れ」の見える化~アクション
音声ならではの活用として、会話遷移、対話傾向、トークギャップの可視化を行い、応対の見直し等の具体的なアクションに繋げます。

本記事では、ここで記載した活用の流れについて、具体例を交えながらご紹介します。

音声認識データ活用の流れ

1.音声認識システムによる音声認識・テキスト化 

音声認識システムは、技術の進化に伴い市場拡大が進んでいます。必要な機能や目的を整理し、自社にあった方法で音声の文字起こしを行い、分析データを拡充しましょう。

  • 「音声はあるがテキスト化ができていない」
  • 「本格的な音声認識システムを検討する前に、分析までの流れを見越して音声認識データの分析を試したい」


という場合には、見える化エンジンに実装されている「音声取り込み・文字起こし機能」を利用することで、大規模なシステム導入をせず、手軽に音声認識データの分析を始めることができます。

2.音声認識データ活用に特化した処理(データクレンジング)

音声認識データは、そのままでは言いよどみ・定型句・相槌などといった分析に必要のないことの多い情報も含まれます。これを分析・活用しやすい形に整えるため、データクレンジングを行う必要があります。

見える化エンジンではクレンジングのための削除ルールを40種類以上登録しており、取り込み時に自動で不要語を削除することができます。

この処理を行うことで、重要な言及(嗜好/要望/リスク等)への視認性を高め、分析結果の読み込みがしやすくなります。

3.テキストマイニング(自然言語処理)

音声認識データを分析するにあたって「これまで自社でやってきたVOC分析ができなくなるのでは」と気になる方もいるのではないでしょうか。
しかし、従来一般的であったコールログの分析ができないというわけではありません。

ただし前述の通り、応対品質の向上や、一次解決率の向上を目的とした分析、顧客体験の抽出などの目的と、音声認識データの相性は良く、より紹介した目的での分析がしやすくなると捉えることもできます。

下の図は、コールログで一般的であった分析目的に対して、音声認識データとの相性をまとめたものです。

ここにまとめた通り、音声認識データを含む問い合わせログには様々な活用目的があります。
そこで、いくつかの分析例を分析アウトプットとともにご紹介します。

ⅰ)コールリーズン把握の例

以下は、コールリーズン把握を目的にして、寄せられた声をマップ図で可視化したものです。

関連の強い単語が線や矢印で繋がれ、全体を俯瞰するといくつかのまとまりが確認でき、主要なコールリーズンを把握することができます。

ⅱ)CS向上 改善要望の抽出の例

以下は、CS向上を目的とした改善要望の抽出の例です。
左側の図では、横軸にⅰで確認できたものを含む「コールリーズン」、縦軸に「感情」を掛け合わせ、どの話題に対してどんな感情が現れているのかをマトリクスによって可視化したものです。

例えば特定の話題に関して、ネガティブな感情が現れている対象に注目し、右のマップ図のようにさらに深掘りすることで、改善すべきシーンを具体化していきます。

ⅲ)リスク検知・苦情分析の例

以下は、データを時系列で比較し、急騰している話題やリスクとなる発言をモニタリングする例です。

明らかなリスクワードは予め登録することでモニタリングできるほか、前の期間に比べて増加傾向にある発言などに気づき、新たなリスクの可能性としてモニタリング対象に加えることもできます。

また、検知したリスクは、このようにモニタリングしていくこともできますが、高リスク事象に関しては関係者へ自動メールなどで即時通知するなどの体制を整えることもできます。

4.「会話の流れ」の見える化~アクション

3.でご紹介した従来のコールログ分析に加え、音声認識データだからこそできるようになる分析もあります。そこで続いては、会話データが蓄積されることで実現できる、顧客体験の見える化の全体像と、具体的な分析手法について、ご紹介します。

会話傾向分析:複数会話の定性傾向を把握。移り変わる「会話の流れ」を可視化する。

会話傾向分析では、コールセンター、チャットボット、インタビューデータなど多くの話者・発話を対象とした会話(通話)において、「よくある話題および話題の移り変わり」をマップ形式で可視化します。

フェーズ1では、対象の会話の序盤で最も多く登場する話題を特定します。最初に最も知りたい話題がつかめることで、CSを左右する初手の対応品質向上にデータを活かせます。

最上部、各フェーズのマッピングを見ることで、対象の会話から「最も多い会話の流れ」を把握できます。フェーズ1の対応に務めつつ、次に出てきやすい疑問・質問を把握しておくことで、さらなる品質強化、長引いてしまった顧客対応要因を視覚的につかみます。

特定発話分析 会話を目視することなく、概要を可視化する。

特定発話分析では、分析対象の発話を確認しやすい会話形式で表示させた上で、目で読み込まなくとも以下を可視化することができます。

会話の概略:会話の時間経過とともにどのようなキーワードが特徴的なのかを一目で把握します。
会話の集計:対象の会話における発話者ごとの発話比率、ポジネガ、コールリーズンの割合などを集計します。

テキストマイニングによりポジティブ、ネガティブといった感情・程度判定を軸にとることで、話者ごとの発話傾向を定量的に把握します。

顧客対応の質を評価し、発話の中に埋もれたインサイトを把握しやすくすることで、顧客体験の理解にデータを活用します。

トークフロー分析:想定話題に対して起こりやすいトークフローを可視化。あるべきトークとのギャップを把握する。

トークフロー分析では、想定した会話の流れがセンター全体でどれだけ実践されているのかといった、トークフローの量を可視化します。また、結果としてカスタマーの感情はどうなっているのかといった結果も軸に加えることで、あるべき会話展開とのギャップを把握します。

分析結果として、ネガティブな感情になっている場合は、その要因を深堀し、応対やトークスクリプトの改善に活用できるでしょう。

市場の声の分析における代表的なデータソース4選

ここで改めて「どんなデータの種類があるのか」「自社は何から取り組めばいいのか」を整理しましょう。

市場の声の分析において多くの企業が活用している代表的な4つのデータソースと、それらの分析の主な目的とメリットをご紹介します。

1.問い合わせログ|顧客の声をダイレクトに収集

問い合わせログにはコール・メール・チャットなどが含まれます。コールログをはじめとしたお問い合わせは、クレームなどの声が多いと思われがちですが、実は単純な質問や、不明点の確認の方が多いという企業がほとんどです。何に関する・どんな質問が・どんな方から多いのかを明らかにすることで、取り組み成果の検証のほか、商品サービスの改善案の発見に繋げることができます。

2.アンケート|知りたいポイントを踏み込んで問う

アンケートは、定量情報や回答者の属性とかけ合わせて分析することで、特定の評価や意見を深掘りすることもできます。商品・サービスに対する満足度や推奨度(CS・NPS調査)などの「自社顧客向けアンケート」と広く生活者へ問う「ネットモニター向けアンケート」に大きく分かれます。

3.SNS|トレンドの確認・生活者の本音が発信される

X(旧Twitter)などをはじめとしたSNSでは、幅広い生活者のバイアスのかからない多様な声を収集することができます。その発信性や即時性・拡散性から、トレンドや反響を捉えやすいという特徴があり、活用の幅は多岐にわたります。

4.口コミなどの外部サイト|利用者の評価とその理由を確認

口コミサイトは評価とともに、「評価の理由」も確認することができます。「使ってみたけど…」「あの商品と比べて…」など実際に商品・サービスを利用したユーザーの声が聞くことができ、評価ごとに発言内容の傾向を把握するほか、同じ評価軸で競合製品との比較をすることできます。

VOCをCS向上へ活用する第一歩:テキストマイニングツール

音声認識データをはじめとしたVOCを、応対品質向上だけでなく、製品・サービスそのものをより良くするために活用するには、複雑な会話から本質的なお困りごとを理解し、回答を考え、改善に向けた企業活動につなげる必要があります。

そこでVOCをもとにCS・CX推進に取り組む企業が活用しているのが、「テキストマイニングツール」です。

費用も社員を1名を雇用するよりも安い金額で利用を始めることができるため、データの収集・分析の「作業」に工数がかかっている企業は、テキストマイニングツールを導入することで「活用」に向けた動きに注力しやすくなります。

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さいごに

本記事では、様々な企業が実際に取り組んでいるCS・CX向上にむけ取り組みに「音声認識データ」を活用する手法についてお伝えしました。

「音声認識データを、蓄積するばかりでなく企業として提供すべき価値の再定義に活かしたい」
「自社にあったデータや、分析方法がわからない」

など、CS・CX担当者が抱く疑問を解決する記事になっていれば幸いです。

多くの企業が取り組んでいるテキストマイニングツールを活用したVOC分析について、本記事の前半で事例をご紹介しましたが、まだまだたくさんの業種・目的の実例のご用意がございます。「他社の事例をもっと知りたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。

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