NPS®︎とは?ビジネスで活用するメリット、調査方法、導入のポイントを解説


NPS®︎とは?ビジネスで活用するメリット、調査方法、導入のポイントを解説

NPS®︎とは、顧客ロイヤルティを客観的に把握するための指標です。NPS®︎を活用すれば、自社の商品やサービスをどのように改善すればよいかわかり、売上の向上にもつなげられます。

この記事では、自社のビジネスやマーケティングのためにNPS®︎を活用したいと考えている担当者に向けて、NPS®︎の概要やメリットなどを解説します。調査方法も解説するため、ぜひ参考にしてください。

h2:NPS®︎(ネットプロモータースコア)とは?

NPS®︎(ネットプロモータースコア)とは、顧客ロイヤルティを数値で把握するための指標です。商品やサービスを友人や家族にどの程度勧めたいと感じているか質問し、その度合いをスコア化します。

 

NPS®︎は、2003年にベイン・アンド・カンパニー社が提唱しました。同社は、アメリカの大手コンサルティング会社です。ハーバード・ビジネス・レビューで発表されて以来、多くの企業がNPS®︎を導入しました。欧米の売上上位企業(フォーチュン500)の3分の1以上が活用しており、提供している商品やサービスの改善のために役立てています。


たとえば、©2022 Googleやアメリカン・エキスプレス®︎などもNPS®︎を活用しています。

 


h2:NPS®︎をビジネスで活用するメリット

NPS®︎をビジネスに活用すれば、自社の利益を向上させるために何が必要か判断するのに役立ちます。商品やサービスだけでなく、営業活動やマーケティングの取り組みの改善につなげることも可能です。それぞれの顧客に最適なアプローチをするためのヒントも得られます。

 

また、NPS®︎により顧客が感じていることを客観的に把握できるため、自社の業界における立ち位置も確認できるでしょう。自社の強みも明らかになり、より戦略的にビジネスを進めやすくなります。

 


h2:NPS®︎と顧客満足度の違いは?

NPS®︎は顧客満足度とどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

 


h3:顧客満足度の特徴

顧客満足度は、あくまでも顧客本人のそのときの評価を表しています。そのため、単に顧客満足度を向上させる施策に取り組んでも、その後の売上向上につながるとは限りません。

 

また、顧客満足度の定義に明確な決まりはなく、企業によって解釈はさまざまです。アンケートを取る場合も項目の基準が特にないため、複数の企業の顧客満足度を一律に比較するのは困難です。

 


h3:NPS®︎の特徴

NPS®︎を測定するときは、商品やサービスを友人や家族にどれくらい勧めたいか質問します。NPS®︎の質問項目はどの企業でも基本的に同じです。顧客本人の満足度だけでなく、その満足度が将来の売上にどの程度つながるかについても確認できます。


NPS®︎は売上に直結する指標であるため、NPS®︎の数値が高いほど利益を向上させられるでしょう。自社の業績を伸ばすには、顧客満足度以上にNPS®︎を重視する必要があります。

 


h2:NPS®︎とeNPS®︎の違いは?

eNPS®︎とは「Employee Net Promoter Score」の略であり、社員を対象としています。一般的なNPS®︎では顧客に質問しますが、eNPS®︎では社員に質問して職場の推奨度を測ります。自分の職場を友人や家族にどの程度勧めたいか質問することで、その職場が社員からどの程度信頼されているかをチェックすることが可能です。社員の職場に対する愛着度も確認できます。

 

eNPS®︎の測定により社員の意識を定量的に把握できるため、社内の環境を整備するうえで役立つでしょう。

 


h2:NPS®︎の調査方法

NPS®︎はどのように調査すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な調査方法を解説します。

 


h3:トランザクション調査

トランザクション調査とは、自社が顧客に体験を提供した直後に調査する方法です。たとえば、顧客が商品を購入したりサービスを利用したりしたら、すぐにアンケートをとって体験を評価してもらいます。

 

顧客が自分自身の体験についてはっきり記憶しているうちに質問できるため、実態を正確に把握できます。自社の商品やサービスにどのような課題があるかについても、理解しやすくなるでしょう。

 


h3:リレーショナル調査

リレーショナル調査とは、自社のブランドが顧客に提供している体験の全体像を調査する方法です。顧客は年間を通して自社とさまざまな接点をもっています。たとえば、商品を購入するだけでなく、問い合わせを行う場合も自社と接触しています。自社のブランドに関わる体験をまとめて総合的に評価する方法です。

 

顧客の総合的な評価を把握でき、特にどのような体験が顧客にとって重要であるか確認できます。リレーショナル調査は、年に1〜2回程度実施するとよいでしょう。

 


h2:NPS®︎の質問文の例

NPS®︎の質問文の基本は「この商品やサービスを、友人や家族にどの程度勧めたいですか?」です。特に、商品やサービスのターゲットが限定的である場合は、具体的にどのようなシーンで勧めたいかについても確認するとよいでしょう。

 

あわせて、顧客が商品やサービスを知ったきっかけや購入を決めた理由などについても質問すると、ビジネスの改善につながります。タッチポイント(顧客接点)における満足度について、質問するのもおすすめです。自社が把握したい内容にあわせて質問を追加しましょう。

 


h2:NPS®︎の計算方法

NPS®︎を測定するときは、まず顧客に質問をして0から10の度合いで評価してもらう必要があります。回答の度合いごとにカテゴリを分けましょう。具体的には、10〜9点をつけた人は推奨者(Promoter)、8〜7点をつけた人は中立者(Passive)、6〜0点をつけた人は批判者(Detractor)に分類します。

 

NPS®︎のスコアは、推奨者と批判者の比率の差です。たとえば、推奨者が50%、批判者が10%である場合、NPS®︎のスコアは40になります。

 


h2:NPS®︎を導入する際のポイント

NPS®︎を導入する場合、単にスコアを測定するだけでは意味がありません。スコアを把握したうえで、具体的な改善につなげる必要があります。そのためには、売上に影響する要因を正確に把握できる調査票を作成することが大切です。そのうえで顧客からのフィードバックに真剣に向き合い、自社が提供している体験をどのように改善する必要があるか検討しましょう。

 

また、業界内のNPS®︎の平均や競合の数値も確認して比較すると、さまざまな気づきを得られます。測定したスコアを有効活用し、ビジネスの成長につなげてください。

 


h2:NPS®︎を活用できるシーン

NPS®︎はさまざまなシーンで活用できます。たとえば、自社の商品やサービスを改善したいと考えているなら、具体的にどの部分を改善すればよいかヒントを得るために活用できます。顧客の評価をもとにすれば、顧客からより求められる商品やサービスに刷新できるでしょう。

 

また、ブランド戦略を新しくする場合やプロモーション施策を見直したい場合なども、NPS®︎による評価が役立ちます。顧客による客観的な評価を参考にし、より効果的なブランド戦略やプロモーション施策を検討しましょう。

 


h2:NPS®︎を導入するうえでの注意点

NPS®︎の測定は、一度だけでなく定期的に行う必要があります。定期的に実施すると、自社が展開しているマーケティング手法が適切に機能しているか把握できるためです。NPS®︎の測定は、目的にあわせてターゲットを限定して行いましょう。それにより、自社が求めている情報を把握しやすくなります。

 

ただし、どの程度のスコアが妥当であるかは、業界によってもさまざまです。どの程度のスコアでなければいけないという絶対的な基準はないため、状況に応じて判断するようにしましょう。

 


h2:まとめ

NPS®︎は、ビジネスを成長させるために必要な情報を測定できる指標です。将来の売上につながる評価を確認できるため、導入する企業が増えています。自社の状況にあわせてNPS®︎を活用し、利益の向上を目指しましょう。


NPS®︎の分析方法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


記事はこちら


NPS®︎の調査と分析を同時にすぐ行いたい方は、アンケート機能のあるテキストマイニングツールがおすすめです。見える化エンジンは、アンケート機能を搭載しており1週間以内にアンケート情報を収集。集めたテキストデータをテキストマイニング技術と見やすい分析アウトプットにより、分析から改善までのフローを手助けします。累積顧客導入数は1,600社を超えているからこそ、NPS®︎に関する専門的なノウハウも豊富で、コンサルティングや手厚いサポートも提供しています。