テキストマイニングを活用した成功事例4選


テキストマイニングを活用した成功事例4選

テキストマイニングとは、インターネットやSNS上、アンケートなどのテキストを、単語や文節ごとに区切り、企業にとって有益な情報を抽出して分析するプロセスです。テキストデータを活用するこの手法は、ビジネスにおける分析手法のトレンドとして昨今高い注目を集めています。

本記事では、テキストマイニングの基本的な概念や手法、目的、活用方法について解説し、具体的な成功事例を紹介します。

テキストマイニングとは


テキストマイニングとは、SNSや口コミ、アンケート回答などの自由な形式で書かれた文章を分析し、ユーザーの心理を探るプロセスを意味します。テキストの出現頻度や相関関係、いつ発言されたものなのかなど、さまざまな角度から分析し、企業にとって有益な情報を探し出すデータマイニングの技術の一種です。
 
テキスト(text)は「文章」を、マイニング(mining)とは「採掘」を意味し、テキストマイニングには、膨大なテキストの山から価値ある情報を掘り当てるといった意味が込められています。
 
関連記事:テキスト分析なぜ必要?テキスト分析の基本から方法などを詳細解説 | 見える化エンジンラボ
 

テキストマイニングの種類


1. 探索型データ解析(EDA)


探索型データ解析は、英語でEDA(Explanatory Data Analysis)といい、対象のデータから何が読み取れるかを可視化する、分析の初期段階のプロセスです。まだ意味が明確でない情報や質問に対する答えを探し出す作業で、対象となる膨大なテキストデータを単語レベルに分けて分析していきます。テキストデータのパターンや特徴を見出し、問題を特定。単語の出現頻度や、時系列ごとの変化といった、さまざまな角度から分析していきます。
 

2. 文書分類(教師ありと教師なし)


文書分類は、テキストデータを文章の内容によって分類するデータ分析の手法です。大量のテキストデータを何らかの種類別に分類したいときに使います。
文書分類には、外部の情報を参照する「教師あり」と、外部の情報を参照しない「教師なし」の2種類があります。「教師あり」の文書分類では、分類機を用いてあらかじめ分類の条件を「教師」として機械に学習させ、ルールに従って分析します。「教師なし」は、テキストを類似する何らかの特徴ごとに分類する作業となるため、事前学習は不要です。この分類作業は「クラスタリング」とも呼ばれます。                                        

                                                                                                                             

テキストマイニングの主な分析手法


テキストマイニングに用いられる主な分析手法を紹介します。
 

1. 主成分分析


主成分分析とは、テキストデータの主成分(要約)を抽出する手法です。膨大で複雑なデータが分かりやすく要約されますが、一部の主要でないデータが見落とされてしまう可能性もあります。アンケート結果、市場調査など、さまざまな分析に使用される手法です。
 

2. センチメント分析


センチメント分析は、ユーザーや消費者の感情を分析する際に用いる手法で、感情をパターン分類した分析方法です。特定のテーマに対するコメントを、「肯定的」「中立的」「否定的」に整理し、分析します。テキストに対してポジティブ/ネガティブの判断を行うことから、「ポジネガ分析」「ポジネガ判定」などとも呼ばれます。自社の商品やサービスの分析などに使用される手法です。
 

3. 対応分析


対応分析は、クロス集計表のように、行と列からなるデータの特徴を図で示し、関係を視覚的に把握する分析手法です。
集計したい項目と分類したい項目が膨大にある場合など、それぞれの関係を視覚的に把握できます。ブランドイメージや自社の強み、競合他社との異なる点を見える化したいときなどに利用されます。
 

4. 共起分析


共起分析は、文章内で関連する単語の組み合わせをデータから抽出し、そのつながりを示す分析手法です。たくさんのテキストデータから頻繁に出現する特定の言葉を見つけ、さらに高い頻度で一緒に使われている言葉を探し、セットで把握します。
たとえば自社の商品名に対して共起分析を行うと、商品への評価やイメージを把握しやすくなります。消費者の感覚や意見をより具体的に把握したいときに用いる手法です。
 
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テキストマイニングの手順


テキストマイニングの手順は、以下の通りです。
 

1. 目的を明確にする


テキストマイニングをする際に、まずその目的を明確にする必要があります。顧客のニーズや企業の課題の把握、市場トレンドの予測、課題の解決など、分析の目的を設定し、社内で共有しましょう。目的を明確にすることで、どの分析手法を用いるか検討しやすくなり、テキストマイニングをより効果的に活用できます。
 

2. 仮説を立てる


テキストマイニングをする前に、仮説を立ててから作業をはじめることも大切です。ある程度の仮説を設定することで、どのようなデータを収集し、どのような分析手法を使うかを効率的に検討することができます。
 

3. 調査対象のデータ収集


テキストマイニングで分析したいテキストデータを収集します。対象となるデータには、SNSの投稿、サイトやブログ記事、アンケート、メール、顧客からの問い合わせ履歴などがあり、どのデータを選ぶかは目的によって異なります。
小売業であればPOSシステムも対象になるでしょう。通話内容などの音声をテキスト化できる場合は、音声ファイルも対象データに含めることができます。
 

4. 分析前のデータ処理


分析前のデータを処理することは、テキストマイニングの精度を上げるためにも重要です。
取得したデータは、誤字脱字があったり、不要な文字が入っていたりするため、通常そのままでは分析に使用できません。そこで、分析しやすいように、文章を単語に分解して品詞や変化などを解析する「形態素解析」や、大文字小文字の統一などの表記ゆれを施す「クレンジング」を行い、データを使用しやすい状態にしておきます。
 

5. データの分析・検証


テキストマイニングにより、目的に合わせた検証を行います。データ分析の結果は、グラフやチャート、ダッシュボードなどの形で可視化します。分析結果から市場の動向を把握したり、顧客のニーズをより正確に捉えたりすることができます。また、課題や改善点が見つかれば、その後のビジネスにも有効に活かすことができるでしょう。
分析は、一度したら終わりではなく、その後もさまざまなデータを参考にテキストマイニングを繰り返すことで、精度を向上させていきます。

 

テキストマイニングにはツールの活用がおすすめ


テキストマイニングでは、数値化できない定性データを分析するため、ビッグデータを用いた大規模な分析が必要になります。分析の方法としては、エクセルや分析ツール、機械学習などがありますが、テキストマイニングは、現状ではテキストマイニングに特化したツールでしか行えないため、解析・分析をする際は、市場で展開されているテキストマイニングツールを利用するのが効率的です。
これにより、複雑なテキスト情報が可視化され、消費者の心理やニーズなどの把握もしやすくなります。ツールにはさまざまなタイプのものがあり、強みや特徴も異なるため、自社の課題を解決できるツールを選定しましょう。
 
 
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テキストマイニングツールの選定ポイント


テキストマイニングツールには、無料で使えるものから、専門的で高度な分析ができるものまで、幅広いタイプが存在しています。その中から自社に合ったツールを見つけるためのポイントを紹介します。
 

1. ニーズに合っているか


SNS分析に適したツール、会話内容に特化したツールなど、テキストマイニングツールにはそれぞれ得意とする分野があります。自社が分析したい対象データを網羅するツールを選びましょう。また、カスタマイズ性についても確認しておくとよいでしょう。
 

2. 分析結果の可視化手段


分析結果はグラフやチャート・イラストなどわかりやすいアウトプットで可視化できるのが理想です。それにより、課題に気づいて迅速な対応ができるうえ、社内で共有もしやすく、共通意識が持ちやすくなります。
可視化する手段は、情報の活用方法に応じて使い分けましょう。たとえば、顧客ニーズを把握したいときは、弊社の「見える化エンジン」に搭載されている、特徴比較マップやニーズランキングが便利です。
 

3. 費用


高度なテキストマイニングを実施したい場合は、有料版のツールを検討してもよいでしょう。有料ツールには、導入時や運営時に手厚いサポートが受けられるものが多く、テキストマイニングに不慣れでも無理なく活用していけます。
操作性やインターフェイス、分析したデータの活用のしやすさなどにおいても、有料ツールの方が優れている場合が多いでしょう。
 

4. 操作性


有益な結果を得られるまで、何度もブラッシュアップする必要があるため、操作性は重要です。ツールのインターフェイスのわかりやすさはもちろん、分析担当者以外の専門知識のない社員も直感的に活用できる優れた操作性は、作業の効率を高めます。
 

5. 分析精度と処理速度


テキストマイニングでは、どれほどスピーディーに精度の高いデータが得られるかが勝負です。大量のテキストデータを扱うこの分析では、リアルタイム性や処理速度が重要なポイントです。処理が速ければ速いほど、膨大なデータを素早く分析できるため、作業の効率アップにつながります。
 

6. 辞書機能


辞書機能とは、特定の商品名やサービス名などの固有名詞や専門用語を事前に登録できる機能です。この辞書機能がツールに組み込まれていれば、正確な単語の抽出や整理が可能となるため、精度の向上につながります。
 
関連記事:AIによるテキストマイニングの活用例とは?メリットやツールも解説 | 見える化エンジンラボ

 

テキストマイニングの活用事例


株式会社プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」は、累積導入社数1,600社以上のテキストマイニングツールです。この「見える化エンジン」を実際に導入し、テキストマイニングの活用に成功した企業の事例を紹介します。データ分析の成果を知り、自社の課題解決に役立ててください。
 

1. 株式会社SUBARU


自動車などを製造する株式会社SUBARUでは、それまで顧客からの電話問い合わせ内容について表計算ソフトで管理していましたが、内容が多岐にわたるため、情報入力や集計・分析が困難な状態でした。
テキストマイニングツール「見える化エンジン」を導入したことで、顧客からどのような意見が寄せられているのかをキーワードベースで定量化することが可能に。定量化したグループを基に時系列や車種、部位毎に掛け合わせ分析ができるようになりました。データを見やすく整理できたことで、部門を越えたデータ共有も容易になり、新しい車種の開発や品質改善にも大きく貢献しています。
 
参考:株式会社SUBARU様 導入事例 | 見える化エンジン
 

2. ヤマハ株式会社


楽器や半導体、音響機器、スポーツ用品、自動車部品、ネットワーク機器の製造発売を手がけるヤマハ株式会社。同社のAV(オーディオ・ビジュアル)事業は、インターネットの普及や購買行動の多様化による顧客満足(CS)を最優先する時代において、「CSなくして成長なし」という使命感を抱いていました。「AV製品の音やデザインなど、感性部分を顧客がどのように感じたり評価したりしているのかを、言語として的確に把握したい」という、当時の担当者の強い思いもあり、さまざまなテキストマイニングツールを比較検討。コスト面や操作性、クラウド型サービスである点などが決め手となり「見える化エンジン」を導入しました。それまでのマニュアル作業に対して、ツール導入によりタイムリーかつ効率的に顧客の声を可視化できるようになり、社内共有もしやすくなったといいます。現在では、AV部門に続いて、カスタマーサポート部門、楽器音響の他部門にも導入が進み、ツールで分析した顧客の声を製品開発や顧客対応などの企業活動に広く反映しています。

参考:ヤマハ株式会社様 導入事例 | 見える化エンジン
 

3. 江崎グリコ株式会社


食品メーカーの江崎グリコ株式会社は、次々に各メーカーから新商品が登場する菓子・食品業界でヒット商品を生み出すには、生活者の声やライフスタイルの変化を正確に捉える必要があると考えていました。同社は「見える化エンジン」を導入することで、それまで重視していなかったアンケートの自由回答欄から、隠れた生活者の声を掘り起こすことに成功。そこで得た知見を、次年度のキャンペーンに活用したという実績も出ています。
それまで外部の調査会社に依頼していたネット上の口コミ分析も、自社での実施が可能になり、コストカットを実現。SaaS型であり、操作性も良いため、従業員間での情報共有もスムーズに行われています。
 
参考:江崎グリコ株式会社様 導入事例 | 見える化エンジン
 

4. 日本生活協同組合連合会


各地の生協が加入する日本生活協同組合連合会。組合員が出資金を出し合って、協同で運営・利用するという団体の性質上、組合員の声を何よりも大切にし、積極的に運営や商品開発に取り入れています。
かつて導入していたテキストマイニングツールは、パソコン1台にインストールして利用するタイプだったため、せっかくデータを集めて分析しても、共有がスムーズにできないという課題がありました。しかし、クラウド型の「見える化エンジン」を導入したことにより、いつでも誰でも気になったときに情報を確認できるようになりました。商品開発担当者も、組合員の声を直感的に理解できるようになり、組合員の声による商品の開発改善率が、ツールを導入後2年で90%を超えるなど、飛躍的に向上しています。
 
参考:日本生活協同組合連合会様 導入事例 | 見える化エンジン
 
 

適切なテキストマイニングツールを導入し、活用しよう

本記事では、テキストマイニングの意味や分析手法、目的、具体的な成功事例などについて見てきました。
テキストマイニングは、文章データから有益な情報を抽出する手法です。適切なツールを選び、効果的な手法を活用することで、データの傾向や関係性を把握し、業務改善やデジタルマーケティングに役立てていきましょう。
 
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