導入事例

概要

数年にわたってVOCの見える化に取り組むヤマハがたどり着いた「活用されるテキストマイニングツールの選び方」

数年にわたってVOCの見える化に取り組むヤマハがたどり着いた「活用されるテキストマイニングツールの選び方」

導入前の課題と導入後の成果

ヤマハ株式会社
品質保証部
山崎氏/佐野氏/丹保氏/高松氏/平井氏
  • #カスタマーサービス
  • #メーカー
  • #品質保証
  • #アンケート

事例詳細

導入前の課題 導入前の課題

  • CS活動の改善のため従来のテキストマイニングシステムを導入
  • 前任担当者の離職もあり、リプレイスを検討


導入の経緯 導入の経緯

  • CS活動の改善のため従来のテキストマイニングシステムを導入
  • 運用コスト面や直感的な操作性のあるUIではなかったために、顧客の声を全社的に周知させることが急務だった


導入の理由 導入の理由

  • 「見える化エンジン」は、クラウド型サービスで運用コスト面も安価であったことが導入の大きな要因
  • また、直感的に操作できることで、全社的に利用を促進できることが期待できた


導入後の成果 導入後の成果

  • ビジュアル的にポップなものが多く、社内的にお客さまの声を浸透させることができた。また、操作が簡単であるために、分析時間の短縮にもつながった
  • さらに、Webでのアクセスも可能で、打ち合わせ時などでも活用できることからお客さまの声に基づいた製品開発やお客さま対応への提案が容易になった


「CSなくして成長なし」トップの危機感に呼応して「テキストマイニング」を
CS企画担当課長 丹保氏

「CSなくして成長なし」トップの危機感に呼応して「テキストマイニング」を

日本の産業界は、高度成長期から安定成長期、バブル崩壊を経て、市場の成熟化・ネット情報社会を迎えた。これにより消費者自身の知識や情報収集力が増えると同時に、消費者自身が自分の基準に従って購買行動を決定する、お客さま満足の時代が到来した。

ヤマハ株式会社のAV(オーディオ・ビジュアル)事業も、このような時代での環境変化を受けていた。2003年当時のAV事業トップマネジメントには、ヤマハAV事業が競争を勝ち抜くために、「CS(お客さま満足)なくして成長はない」という危機感があった。また、社内にもお客さま満足を重要視する意識が高まりつつあり、お客さまの声を音やデザインなどの製品開発やお客さま対応に反映させるために、テキストマイニングツールを導入することとなった。

学術的なテキストマイニング技術などを駆使した製品を含め、いろいろと比較検討する中で、あるシンクタンクがデータ分析に活用している製品に辿りついた。当時としては比較的コンパクトなサイズで、ヤマハの事業規模にも適し、最も使いやすかったことから導入を決めた。

当時のことを丹保課長は、このように述懐する。「ヤマハAV製品の音やデザインなど、感性部分をお客さまはどのように感じたり、評価してくださっているのかを、言語として的確に把握したいという思いがありました。部門内の最終プレゼンでは、その一助になるシステムとしてトップを始めとした全員がその有効性に確信を持ちました。期待値も高かったと思います。」

システム操作が直感的にでき、保守費用が安価な「見える化エンジン」へ

システム操作が直感的にでき、保守費用が安価な「見える化エンジン」へ

ヤマハが導入したテキストマイニングは、徐々にAV部門内に根付いていった。しかし、導入したシステムの操作がやや難しかったために、CS担当がデータをまとめて定期的に各部に配布する程度にとどまっていた。教育の手間もかかることから、各部でお客さまの声の中の細かなニュアンスを抽出して、自由にレポーティングするという、当初の思惑が実現できなかったのだ。 さらに、オンプレミスのサーバ側で、何ヶ月に一回かのアップデート作業や、毎年必要となる保守費用の負担感も高かった

これらのことから、システムの運用側と活用したい各部のニーズを満たす、テキストマイニングシステムへの切り替えを検討し始めた。既にお客さまの声の重要性は、部門内で十分に認識されていた。そのため検討の主なテーマは、システム運用担当やCS担当の負担軽減と全社的にシステムを活用することで、お客さまの声を音やデザインなどの製品開発やお客さま対応に反映させることだった。

まずオンプレミスサーバから決別し、運用コストや保守の人員コストを抑制できるクラウドサービスを導入する。次に、直観的で気軽に操作できるUIのシステムに切り替え、各部でお客さまの声を抽出したり、自由にビジュアル化したりして、製品の開発や評価、お客さま対応へ活用できるようにする。さらに、そこから得た知見を部門内で共有し、早い製品開発サイクルに追従する。 これら3つのテーマに合致したのが、プラスアルファ・コンサルティングの『見える化エンジン』だった。山崎マネジャーは、『見える化エンジン』へ切り替えた決め手をこのように語る。

「毎年かかる保守費用の問題はもちろん、出力されるレポートが、従来のシステムでは堅苦しいイメージで、難しいものに感じられ、なかなか全員は見てくれない。しかし、『見える化エンジン』は、ビジュアル的にも見やすくポップなものが多く、レポートに興味を持ってくれる人がぐんと増えました。さらに、従来のシステムでは、CS担当がレポートをまとめて各部に報告しますので、お客さまの生の声が分析側には見えますが、公開された側には見えないのです。

『見える化エンジン』だと、各部が直感的に操作して使うことができるので、お客さまの生の声から伝わる細かなニュアンスなどを各部で分析することも期待できると感じました。実際に、今その通りになってきています。」(山崎氏)

様々な条件で定性データを分析して視覚化することで、顧客の声との対話ができる
AV品質保証室 CSグループ 佐野氏

様々な条件で定性データを分析して視覚化することで、顧客の声との対話ができる

お客さま満足度を高めるためには、お客さまの声に切り捨てて良い部分はなく、全ての声に目を通すことが必要だといわれてきた。ヤマハでも、「テキストマイニングツール」が導入されるまでは、分厚いレポートを作成していた。

しかし『見える化エンジン』を導入したことで、このようにお客さまの声を漠然とみることがなくなった。なぜなら、さまざまな条件で定性情報を素早くグラフ化、ビジュアル化できることで、お客さまの声と対話しながら、有益な情報を迅速に抽出することができるようになったからだ。「従来のシステムでは断っていたような相談も、1時間程度作業すれば、ポイントを分析した情報を提供できるようになりました。」カスタマーサポート部の平井センター長も、『見える化エンジン』導入の効果を語る。

また、従来のシステムでレポート作成を担当していた佐野氏も、『見える化エンジン』を導入した効果を実感しているという。「従来のレポートでは、こういう意見が何%とか何件という数値だけでしたが、『見える化エンジン』では、ビジュアル化して直観的に理解しやすい結果を提示できるようになったので、伝えたいことがスムーズに伝わるようになりました。しかもシステム自体が軽いので、ストレスなく操作ができること、そしてネットさえつながっていれば、どこでも閲覧できるので、打ち合わせなどで要望に合わせた切り口の分析結果をその場で見せることができるのもいいですね。」(佐野氏)

「見える化エンジン」で「お客さまの声」を分析して社内で共有

ヤマハでは、『見える化エンジン』は、AV部門に続いて、カスタマーサポート部門、楽器音響の他部門にも導入され、お客さまの声を製品開発やお客さま対応に反映するために、CS担当からCSポータルサイトを通じて情報共有を図ることになった。
また詳細なアンケート調査などを行った場合は、別サイトを用意してCS担当が分析結果を出すようにした。

このようなお客さまの声を活かすためのCSポータルサイトは、当初2014年4月にAV部門で立ち上がった。その後の社内の広がりを、丹保課長はこのように語る。「AV部門で立ち上げたCSポータルが各部門でいいねという評価になりました。また同時期に楽器音響全部門で、『CS共有&標準化連絡会』というクロスファンクショナルチームを立ち上げてCS活動を推進していたため、そこで他の部門も同じポータルを立ち上げましょうという話になり、プロフェッショナルオーディオの部門と、アコースティック楽器の部門で立ち上げました。

今後は、電子楽器やサウンドネットワークの部門などにも広げ、楽器音響事業全体へと広げる計画です。現在、お客さまの声を、経営層をはじめとして社員全員にメール配信していますが、各部門が必要な情報をいつでも参照できるようにCSポータルを充実させていきたいと考えています。」(丹保氏)

「見える化エンジン」は将来、「ワード」「エクセル」と同じ位置づけに
お客様コミュニケーションセンターセンター長 平井氏

「見える化エンジン」は将来、「ワード」「エクセル」と同じ位置づけに

「ヤマハでは今後、お客さまの声を製品開発やお客さま対応に反映できる『見える化エンジン』の活用を積極的に展開していきたいと考えている。」という品質保証部推進担当の高松主任に対し、「この流れは、『見える化エンジン』のグループ内での位置づけが、導入当初から変化していることにある。」と平井氏は語る。

「最近では、『見える化エンジン』は『ワード』や『エクセル』と同じ位置づけになってきていると感じています。文字を書く、計算するといった作業は、『ワード』や『エクセル』でなくてもできるのですが、あると便利でいいよねという位置づけの業務ツール。多数のテキストを扱い分析する時に、全部読んでいる時間はありません。そのためのツールとして『見える化エンジン』がある。そういう位置づけになってきていると思います。『ワード』や『エクセル』がなかったら仕事がすごく滞るのと同じように、『見える化エンジン』がないとちょっときついな、と。そういう位置づけなのではないでしょうか。」(平井氏)

テキストマイニングツールを導入し、「お客さまの声」を企業活動に生かす取組を推進しているヤマハ。今では『見える化エンジン』は、もはや欠かすことのできない業務ツールの1つになりつつあるようだ。

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