ソーシャルリスニングツールの選び方│タイプ別おすすめツールも紹介

ソーシャルリスニングツールは、現在多くの企業から注目されているシステムです。企業や部署の方向性を決める参考として、導入を検討している担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ソーシャルリスニングツールの機能・選び方などを解説し、さらにおすすめツールを紹介します。自社に適したツール選びの参考にしてください。
ソーシャルリスニングツールの概要
ソーシャルリスニングとは、SNSの投稿を利用したマーケティング手法の1つです。さまざまなキーワードから消費者の本音を集め、売上拡大に活かすものですが、ツールなしでソーシャルリスニングを行うことは非常に難しいといえます。
ソーシャルリスニングツールは、日々、SNSに投稿される膨大な量の情報から自社の商品やサービスに関するデータを抽出するツールです。大量のデータに対して適切な分析を行い、プロモーションやサービス改善などの指針を見出すことで、効率的なソーシャルリスニングにつなげます。
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1.無料版ツールと有料版ツールの違い
無料版のツールは利用できる機能が限定的で、ソーシャルリスニングの精度においても有料版に比べると低いものが多いです。一方、有料版は解析ツールなど、より高度な機能が利用できます。多角的に分析したい場合や、複数の媒体で利用する場合にも有料版が有効でしょう。
ソーシャルリスニングツールが活用されるようになった背景
ソーシャルリスニングが注目されるようになった理由として、以下のようなものが挙げられます。
1.SNSが広く普及した
SNSが生活に欠かせないものとなり、消費者は商品やサービスに関する感想や体験を日常的に共有しています。企業にとってSNS上の声は貴重な情報源であり、それらを効率的に収集・分析するためのソーシャルリスニングツールの需要が高まりました。従来の調査方法では捉えきれない、リアルタイムかつ自然な消費者の声を把握する手段として注目されています。
2.口コミの影響が大きくなった
消費者が商品やサービスを選ぶ際、企業の広告よりも他の消費者の口コミや評価を重視する傾向が強まっています。口コミは拡散されやすく、企業のブランドイメージや商品評価を短期間で変える力を持っています。こうした背景から、企業は口コミの発生源や拡散状況をリアルタイムで把握し、適切に対応するためのツールとしてソーシャルリスニングを導入するようになりました。
ソーシャルリスニングツールの基本的な機能
ソーシャルリスニングツールには、以下のような基本的な機能が備わっています。
1.データ収集
データ収集機能とは、SNSに投稿される膨大な量のデータを収集する機能です。大量のデータから、特定の商品やサービスに関連した情報のみを抽出することは、ソーシャルリスニングで不可欠なプロセスとなります。ソーシャルリスニングツールを使えば、キーワードを指定して検索するだけで求める情報を抽出することが可能です。
2.データ分析
データ分析機能は、収集した大量のデータを分析するものです。特定の商品やサービスがSNS上で、いつ、どのくらい注目されているのかがわかります。例えば、発売日の注目度と、1か月後などで比較することが可能です。
時系列での分析だけでなく、どの年齢層や性別に商品やサービスが浸透しているのかなども、SNS上で確認できることがメリットになります。
3.投稿・アカウント分析
投稿・アカウント分析機能では、投稿やアカウントに関するフォロワー数や閲覧数といったデータを収集することで、投稿者が持つ影響力の強さや範囲を測定できます。自社の強い味方になりうるインフルエンサーを見つけ出せる機能です。
4.炎上検知
ソーシャルリスニングツールで便利なのが、SNSにおける製品やサービスに関連する発言数の急増を検知し、警告通知をしてくれる機能になります。製品関連で炎上などが起こりそうなとき、事前に対策をするうえで効果的です。
ソーシャルリスニングツールの活用シーン
ソーシャルリスニングツールは、さまざまなシーンで活用が可能です。具体的なタイミングには以下のようなシーンがあります。
1.プロモーション効果の測定
商品やサービスのプロモーションをしたとき、ソーシャルリスニングツールでSNS上のデータを見ればリアルタイムで反響を把握できます。投稿内容だけでなく、投稿したユーザーについて年齢・性別・所在地などの詳細なデータを収集し分析できることもメリットです。こうしたユーザー属性分析をあわせることで、ポイントを絞った反響調査ができるようになります。
2.業務改善
SNS上の反応を見ることで、プロモーションの打ち出し方や公式アカウントの運用方法などが適切かどうかを検証できます。これらのデータを可視化することでKPIを高めるなど、具体的な業務改善が可能です。データ上、強いところをさらに強化する、弱いところを補完するなど、新規ユーザーの獲得や企業イメージの向上にも役立つでしょう。
3.競合他社の動向や業界のトレンド把握
ソーシャルリスニングツールを使えば、業界に関するトレンドが把握できます。自社の商品やサービスだけではなく、業界全体へのSNS上の反応を分析することは非常に効果的です。さらに、競合他社に関連するSNSの動きをチェックすることで、他社の動向も把握できます。ツールを使用すれば、自社と競合の比較も可能です。
ソーシャルリスニングツールの選び方
現在では、多種多様なソーシャルリスニングツールがあるため、自社に最も適したツールを選ぶことが重要です。ここでは、ソーシャルリスニングツールの選び方を解説します。
1.自社に必要な分析メニューがあるか
ソーシャルリスニングツールによって搭載している機能が異なるため、自社に必要な分析メニューが搭載されているかどうかをまずチェックしましょう。そのためには、自社にとって本当に必要なものはどれかを見極めることが重要です。
多機能で高価なものが使いやすいとは限らないため、機能が多いものを選べばよいというわけではありません。多機能なものには、自社で必要としない機能がついている可能性もあります。自社の予算内でどれだけ必要な機能が揃っているかを検討すべきです。
2.保有データ数と分析速度
どれだけの量のデータを集められるかも重要なポイントです。集められるデータ量が少ない場合、結果が偏ってしまうケースがあります。
一方、大量のデータを扱うツールは分析にある程度の時間を必要とするため、ツールの分析速度もチェックして選択するとよいでしょう。保有データが多くても、分析スピードが遅ければリアルタイムでの活用が難しくなってしまいます。
3.コストパフォーマンスは高いか
ソーシャルリスニングツールの導入・運用には、イニシャルコストとランニングコストが必要です。初期費用と月額費用はツールによって異なります。総合してどれくらいのコストがかかるか計算し、運用期間内にコストに見合った成果を得られるかを検討しましょう。コスト以上の成果を得られるツールを選ぶことを心がけてください。
分析手法に強みを持つ主なソーシャルリスニングツール
ソーシャルリスニングツールを有効活用するには、自社にとって必要な分析機能を搭載していることが必須条件です。ここでは、分析手法に強いソーシャルリスニングツールを紹介します。
1.見える化エンジン
見える化エンジンは、テキストマイニング技術をベースとした40種類以上の機能で分析・共有改善ができるソーシャルリスニングツールです。テキストマイニングとは、大量の文字データから有用な情報を掘り起こす機能で、書き込み、ハッシュタグなどの有効活用に長けています。
さらに、画像やユーザー情報も取得・分析が可能で、ランキングや頻出単語の抽出から業務改善に至るさまざまな気づきを与えてくれる点もメリットです。話題同士のつながりも把握しているため分析結果が正確で、「マッピング」や「クロス分析」などさまざま分析方法を組み合わせて、ユーザーの声を可視化することが可能です。
AIを活用した新機能も搭載し、様々な角度から消費者の本音を把握できることが特徴です。
2.モニタリングDX
モニタリングDXは、高性能AIによってSNS投稿・口コミを解析し、仕分けする手間を大幅に削減できるモニタリングツールです。AIがキーワードではなく投稿全体の文脈を読み取り、内容から投稿者の感情をネガポジ判定します。また、感情だけではなく、内容や投稿の主題から投稿をカテゴリー分けすることが可能です。
3.Quid Monitor(旧NetBase)
Quid Monitorは、いくつもある巨大SNSに蓄積している膨大なソーシャルメディアデータを、さまざまな切り口でリアルタイムに分析できるプラットフォームです。有名SNSだけでなく、ECサイトレビューデータや主要ニュースサイトデータも取得可能で、対応メディアが多いという特徴があります。
フィルタリング機能つき、50カ国語対応など、非常に多くの機能を搭載したツールです。
キーワードの収集や分析を効率化する主なソーシャルリスニングツール
キーワードの収集や分析を効率化するツールには、以下のようなものがあります。
1.Buzz Finder
Buzz Finderは、国内初のX(旧Twitter)全量データ分析ツールです。X(旧Twitter)上の全てのつぶやきをリアルタイムで収集し、キーワード指定によるトレンド分析や関連語分析・ネガポジ分析を行います。自社ブランド名と何らかのキーワードといったシンプルな条件で、簡潔な分析ができるのが特徴です。
2.SocialDog
SocialDogは、X(旧Twitter)、Instagram、FacebookによるSNSマーケティングに必要な機能を多数搭載したオールインワンツールです。SNS運用業務の効率化やSNSを活用したファンの増加施策、ソーシャルリスニングなどを実施でき、SNS運用担当者がクリエイティブな業務に注力できるよう支援します。
3.Talkwalker
Talkwalkerは、Facebook、LinkedIn、Instagramなど30以上のSNS、1億5000万以上のWebサイト、100以上の顧客フィードバックサイトなどから精選されたデータを収集しているソーシャルリスニングツールです。187言語と196か国に対応していることが特徴で、海外での展開を考えている企業に適しています。
SNSのアカウント運用に強みを持つ主なソーシャルリスニングツール
ソーシャルリスニングツールのなかには、SNSアカウント運用に特化したものもあります。SNS運用を中心に役立てたいなら、次のようなツールが便利です。
1.Keywordmap for SNS
Keywordmap for SNSは、コンサルティング会社が開発したX(旧Twitter)運用プラットフォームです。ハッシュタグ分析、フォロワー分析、炎上管理機能があり、さらにベンチマークアカウントの分析、ツイートの感情分析などができます。キーワードに紐づく語句を分類、可視化することで運用しやすくするのも特徴です。
2.Tofu Analytics
Tofu Analyticsは、大量のSNSアカウントをモニタリングし、管理するSNS分析ツールです。分析数が多く、自社の拡散に貢献するインフルエンサーの割り出しなど、インフルエンサーマーケティングに突出している一面もあります。
ほかに競合調査・トレンド分析・売上・需要予測・消費者の感情・インサイト調査・口コミ分析・リスク分析などの機能もあり、多目的に利用が可能です。
3.Social Insight
Social Insightでは8つの主要SNSに対応し、分析と運用を行うことができます。自社や競合他社のSNSアカウントの比較やキーワード分析が可能で、さらに複数のSNSアカウントへの予約投稿や、承認フローを管理できることもメリットです。口コミ調査のほか、キャンペーン等の自動化によりSNS管理を簡略化できるため、効率の良い運用が可能になります。
まとめ
ソーシャルリスニングツールは非常に種類が多いため、自社にとって必要なツールかどうかの見極めが重要です。使いやすい、サポートの充実したものを選べば、業務改善に有効活用できるでしょう。
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