コールログ分析の3つの目的別分析手法と活用方法


コールログ分析の3つの目的別分析手法と活用方法

※本記事は12年連続国内シェアNo.1のテキストマイニングツール『見える化エンジン』のプロモーション記事です。

コールログは、顧客の声として分析することで「商品企画・改善」や「販促施策・キャンペーン創出」など様々な活用をすることができる、経営において重要な情報と言えます。

しかしそんな顧客の声の活用も、目検で読み込む企業が多いほか、分析する場合にも工数がとられて具体的なアクションに至っていない企業も多いのが現状です。

そこで今回は、実際にテキストマイニングツール『見える化エンジン』を活用してコールログ分析をしている企業の事例とともに、具体的な施策へのアクションに繋がるコールログ分析の方法をご紹介します。

コールログ分析・活用の目的別3事例

コールログ分析の3つの活用目的に応じた事例をご紹介していきます。

目的1.商品・サービスの改善:食品メーカーの例

  • 現場担当者が知りたいこと
    • 最近、自社商品ラインナップのなかで、「らっきょう」に関する問い合わせが増えている気がする。その理由を知りたい。
    • 「どのような問い合わせが増えたのか」ではなく、「問い合わせが増えた背景や改善のヒント」を得たい。
  • 「顧客の声」分析から分かったこと
    • 顧客の声を分析する観点は主に2点あり「商品の持つ要素の分解」「分解した要素に対しての言及の分類」となります。2つの要素を掛け合わせ、どのような問い合わせが増加しているのかを把握し、内容の深堀を行います。
    • 今回の例だと「蓋」が商品の持つ要素、「硬くてあかない」が要素に対しての言及にあたります。

要素と要素に対しての言及を掛け合わせることにより、「蓋が硬くてあかない」問い合わせが増加していることを掴むことが可能となります。問い合わせ内容の深堀を行うことにより「夏になってカレーを食べたくなり久しぶりに冷蔵庫から『らっきょの瓶』を取り出すと瓶が冷えて蓋があかない」という問い合わせの背景となる実際の利用シーンに辿り着くことができます。

  • 現場担当者の具体的なアクション
    • 冷蔵庫で冷えても硬くならない「蓋」と「瓶」を特徴としている容器メーカを探す。


目的2.商品・サービスのアイデア創出:化粧品メーカーの例

  • 現場担当者が知りたいこと
    • 自社主力商品の「コンシーラー」について、経営から新商品の社内提案が求められている。

「コンシーラー」を使用する顧客シーン

  • 「顧客の声」から分かったこと
    • 「5W1H」の切り口でデータを見ていくことで「40代以降の男性」の問い合わせが増えており、「出社時に目の下のクマを隠したい」といったシーンが見えた。
  • 現場担当者の具体的なアクション
    • 40、50代の男性ビジネスマン×クマ隠しをターゲットとしたコンシーラー開発を企画・検討する。


目的3.販促施策・キャンペーンのアイデア創出~効果測定(反響分析):架電メーカーの例

  • 現場担当者が知りたいこと
    • 「掃除機」の新商品について「吸引力」を強調したテレビCMを放映中。
    • ネット(SNS)では出演者に対するネガティブな意見が出ているが、コールセンターに寄せられる声は悪い感触ではない。実際のところと、その理由を知りたい。
    • プロモーションの担当者は最終的に今後のプロモーションに活かすために、今回の企画の良い点・悪い点を把握したい。
  • 「顧客の声」から分かったこと
    • 今回のCMで特に訴求した「吸引力」を含む訴求要素を分解し、それぞれの要素に対して具体的にどのような言及があるのかを見ることによりポジティブに評価された点、ネガティブに評価された点を可視化。
    • 「吸引力」関連の問い合わせが増加しており、新商品の訴求が出来ていることが分かります。一方で従来評価されていた「ごみの捨てやすさ」が損なわれていないかという問い合わせも増えていた。
  • 現場担当者の具体的なアクション
    • 次回CMへ「ごみ捨てシーン」を組み込む。また「ごみ捨て」についての説明文の追加や、WEBサイトへの誘導強化といった施策を検討できます。


例のように、現場担当者が知りたいことを把握し、要素を細分化したり、掛け合わせ分析から深堀を行うことで、具体的なアクションへ繋がる示唆を得ることが可能となります。

コールログの分析結果を具体的なアクションにつなげるためのポイント

どの分析においても重要な点として、現場担当者の具体的なアクションに繋がる分析を行うことが重要です。具体的なアクションに繋がらなければ、分析をしても意味がなくなってしまいます。

具体的なアクションに繋げるためには、複数のデータソースを掛け合わせた分析も効果的です。データソースの特性を理解して、コールログ等の企業に直接寄せられる顧客の声と、SNSやレビューなどの声を掛け合わせたり、比較したりすることで、多角的に顧客を理解できるでしょう。

そこで必要となってくるのが、テキストマイニングツールによる掛け合わせ分析です。12年連続国内シェアNo1のテキストマイニングツール『見える化エンジン』ではコールログ、SNSだけでなくアンケート調査の実施や分析も可能です。さらに即時社内共有可能なダッシュボード機能などもあり、分析→共有の流れを早めることで具体的なアクションに繋がるように設計されています。

次の内容では、そんな『見える化エンジン』を活用したコールログ分析の進め方・流れについて記載していきます。

目的別 コールログ分析の進め方・流れ


上記の図がテキストマイニングツール「見える化エンジン」でコールデータを分析する流れです。

継続的にモニタリングしたい分析結果はダッシュボード化することで、定点観測を行うことができます。オペレーターが付与した分類とテキストマイニングによる分類の違い

目的別の分析例をご紹介する前に、コールログに対してオペレーターが付与したカテゴリ分類と、テキストマイニングで実施する分類の違いについてご紹介します。

問い合わせデータには、オペレーターが選択・入力する問い合わせのカテゴリがついていることが多い一方で、テキストマイニングツールで分析する場合には問い合わせ内容の定性データから問い合わせ内容の分類・ラベリングをすることがあります。

オペレーターが付与した分類の欠点は、オペレーターの判断に依拠しており、1コール1話題となり話題が複数あった場合に拾い切れないことです。利点としては、声のトーンや感覚など、オペレーターの視点で内容の補完が可能なことです。

テキストマイニングによる分類の欠点は、あくまで文中に残されている「言葉」「表現」を判断基準とするため、声色や発言されていない背景などの要素は加味できない恐れがあることです。利点としては共通の明確な基準で分類ができ、属人化が防げるほか、1コールで複数話題があっても分類の漏れがなくなることです。

これらの分類をうまく組み合わせることで、分類の網羅性を高めることが可能です。

コールログの定性分析から問い合わせの全体像を把握するには

コールログを活用するには、先程紹介した問い合わせカテゴリを分類するだけではなく、定性データとして残されている顧客の声を可視化することも必要です。例えば、データ全体を俯瞰して把握するマッピング機能は、コールリーズンの把握に役立ちます。以下は、ある食品メーカーのヨーグルトに関する問い合わせをマッピングした例です。

青色の円の単語が、発言数の多い名詞単語となり、同時に発言されがちな単語が緑色の円で繋がっています。

すると話題ごとに島のような小さなまとまりが見えてきます。今回のデータでは、「味」「砂糖」「購入」「容器」「臭い」「賞味期限」「ゴミ」等の話題のまとまりが出現していることが分かります。

これらの話題のまとまりをもとに分類を行うと、右上の表のような分類結果となります。

これらの設定方法を目的別に、次のセクションで詳しくお伝えしていきます。

目的1:商品・サービスの改善

まずはじめに、商品・サービスの改善の分析方法についてご紹介します。

前述のテキストマイニングによるカテゴリ分類を活用することで、下のような分析・集計が可能になります。

  • 定量集計ができる機能にて、作成した分類を集計すると「味」「容器」「健康」への言及が多く寄せられており、「味」を深堀すると「味」の中でも「甘さ」と「酸っぱさ」への言及が多いことが分かります。
  • 味の詳細へ「感情」を掛け合わせることで、それぞれの味への言及の特徴をつかむことも可能です。


商品・サービスの改善の分析の考察については以下の通りとなります。

分析結果から、社内提案の仮説を導き出すことができます。

目的2:商品・サービスのアイデア創出

続いて、「商品・サービスのアイデア創出」に活用するための分析方法をご紹介します。

テキストマイニングによる話題の分類活用:特徴的な発言で比べる

ここからは、商品・サービスのアイデア創出のための分析に活用できる、特徴語マップという機能を用いた分析手法をご案内します。以下は、ある化粧品メーカーの日焼け止めについて、各話題に対して特徴的な発言をマップ図で表した例です。

青色の円が、日焼け止めに対する話題の分類です。(ex.「香り」「光沢」「洗浄性」…)。その話題の中で、特徴的に発言されているキーワードが黄色の円で紐づいており、それぞれの話題にどのような発言があるのか把握できます。

比較軸として、5W1Hの分類を活用することも効果的です。
そうすることで、季節(When)・場所(Where)・感情(How)といった分類でそれぞれのキーワードを分析し意見を把握することが可能です。

目的3:プロモーションの反響分析


次にご紹介するのが、プロモーションの反響分析を行う手法です。以下は、指定した期間ごとの話題の件数推移をグラフで表示する機能です。

左がコールログ、右がX(旧Twitter)で同じキーワードについての発言件数の推移を表したグラフです。


例えば、新商品のプロモーション広告を打った際に、コールログとX(旧Twitter)でそれぞれどの話題についての言及や反応があるのかを比較することができます。


次に、商品リニューアルに対する声を①お客様アンケート(既存顧客)と②X(旧Twitter)(潜在顧客)で比較してみましょう。

グラフの縦軸が①お客様アンケートでの回答数、横軸が②X(旧Twitter)の投稿件数です。
それぞれの声の「関心の対象」と「感情軸」を掛け合わせて分析することで、アンケートなどで企業に直接寄せられる声と、SNS等で投稿されるような企業に直接届かないサイレントカスタマーの声にギャップがあるか確認することが出来ます。

例えば、既存顧客にとったアンケート結果ではパッケージに対してネガティブな感情につながっているのに対して、SNSで投稿されている潜在顧客の声ではポジティブな反応があることが分かり、意図した提供価値が届いているのかの検証材料になります。

音声認識データ×テキストマイニング

ここまでコールログ活用・目的に沿った分析手法例をお伝えをしました。しかし、コールログを活用するにはまず音声認識データを分析できる状態にする必要があります。

そこでここからは「見える化エンジン」を用いて、音声認識データを分析するプロセスについてご紹介いたします。

音声認識後のデータ活用プロセス


音声データをテキストマイニングするには、テキスト化する必要があります。その後、音声データを分析しやすい形式にするために「データ加工」と「データクレンジング」を実施します。

そうすることで、データを深掘りする際の視認性を高め、分析の精度を高めることができます。

音声データのクレンジング


話者が混合している音声データの場合に音声データのクレンジング作業で必要なことの1つが、オペレーターが発話している内容、カスタマーが発話している内容でデータを分離する「話者分離」です。

その後、炎上につながる恐れのあるリスクワードや要望などの色付けなどを実施することで、視認性が高まり、注目した会話の原文の読み込みがしやすくなります。

「データクレンジング」については他にも、音声認識データの可読性向上のために、音声データ特有の

①言いよどみ
②定型句
③相槌削除

を行います。

会話形式のテキストを活用しやすい形で残すには次は、音声データを保持する際の最適な機能をご紹介します。

音声認識データを活用する際に、テキストは会話単位でデータを保持することが最適です。
オペレーターとカスタマーの発話ごとのやり取りをチャット形式で確認することができるため、直感的に会話内容の確認ができます。

また、リスクワードや要望の色付けを行うことで、特定の単語が発言されている付近の発話の視認性が向上します。

分析結果の社内共有

ここまでコールログ分析・音声認識データ活用の為の機能についてご紹介をいたしました。

しかし分析を実施しても、その結果を社内で共有して実際にアクションに繋げなければ意味がありません。そこでここでは、分析した結果を共有する「ダッシュボード」についてご紹介いたします。

WEBレポートによる社内共有


『見える化エンジン』のWEBレポート(ダッシュボード)機能では、目的や部署ごとに分析を実施した後、分析アウトプットをそれぞれの目的や部署ごとに登録・発信することが可能です。

また、結果の閲覧者が気になる点をクリックすることで、分析結果を簡単に深堀することができるほか、用途に応じてレポートを出し分けることもできます。このように、組織に応じて共有する内容を最適化し、閲覧者自身でも能動的に声を確認できる仕組みを整えることで、企業全体としての声活用を推進することができるでしょう。

まとめ:施策に繋げる分析をするためには


今回の記事では、具体的な施策に繋がるコールログの分析方法についてご紹介しました。
コールログ分析は施策に繋げる上で重要ですが、「分析のための分析」では意味がありません。
企業活動に活かしていくためには、下記3点が重要です。

・目的を明確にし、それに適したデータソースを選択する
・分析結果をわかりやすく可視化する
・担当者にリアルタイムで共有しやすい環境を構築する

これらを実現するには、テキストマイニングツールによるコールログやアンケート、SNSなどの分析が必要になってきます。

12年連続国内シェアNo.1のテキストマイニングツール『見える化エンジン』では、コールログはもちろん、SNS、アンケート、口コミなどの情報の取得から分析まで実施でき、データを掛け合わせた分析も可能です。施策に繋げるためのレポートテンプレートも用意しており、分析の専門知識がなくとも直感的に分析することができます。また、作成したダッシュボードを共有する機能もあり、効果的に社内共有ができます。

コールログ分析で顧客の声を分析するなら、『見える化エンジン』をぜひご検討ください。