データ分析ツールとは|ExcelやBI、テキストマイニングも解説

市場では、IT技術を活かした分析ツールの導入が進んでいます。企業で活用する分析ツールは、科学や化学的な分析ツールではありません。IT技術で得られる膨大なデータを分析し、業務の効率化や商品開発などに役立てます。今回は、分析ツールの基本やメリット、ツールの選び方などを解説します。自社での分析ツール導入に役立ててください。
データ分析ツールとは
データ分析ツールとは、収集した多様なデータを効率的に処理・分析し、価値ある洞察を導き出すためのソフトウェアやアプリケーションです。一般的に表計算機能、統計解析、データ可視化、レポート作成などの機能を備えており、企業の意思決定や戦略立案を支援します。
近年ではクラウドベースのツールが増え、専門知識がなくても直感的に操作できるものから、データサイエンティスト向けの高度な分析が可能なものまで、目的や技術レベルに応じた多様な選択肢があります。適切なツールを選定・活用することで、データから最大限の価値を引き出し、ビジネス課題の解決につなげることができます。
分析ツールの主な種類
検索エンジンで、「分析ツール」と検索すれば、ExcelやBIツールを始めとする多くのツールが表示されます。企業のデータはExcelでは処理が難しい膨大な情報量になるため、業務の効率化や企業方針の決定などにデータを利用したい場合は、BIツールがおすすめです。
マーケティングや商品開発などでユーザーの動向を知るためには、テキストマイニングツールを活用することも検討しましょう。ビッグデータの中の定性データを収集し、マーケティングなどに役立つユーザーの声を分析します。
1.Excel
Excelの分析ツール機能は、ヒストグラムや分散分析、フーリエ分析、回帰分析など19種類もの分析が可能です。分析した指標や指数などを含めて表はもちろん、多種多様なグラフで見える化できます。エクセルで、ビッグデータを分析することは難しいため、少量のデータを手軽に可視化するケースなどで活用しましょう。
2.BIツール
BIツールのBIとは、「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略語です。ビジネスの意思決定に関わる情報という意味があります。さまざまなデータや分析結果をもとに、ビジネス活動に反映していくことがBIの目的です。BIツールは、ビッグデータを分析して知見を得るために使います。BIツールでできる分析については後述します。
3.テキストマイニングツール
テキストマイニングとは、ビッグデータの中でもテキストデータから、分析目的に適した有益な情報を取り出すことです。SNSや口コミなどの文章を単語や文節に分割します。分割したテキストの出現頻度や相関関係、発言された日時などを分析するのが、テキストマイニングツールです。後ほどテキストマイニングツールでできる分析についても解説します。
関連記事:テキストマイニングとは?活用方法やアウトプット例までご紹介!
データ分析ツールを活用するメリット
分析ツールにより、データを見える化するメリットはたくさんあります。中でも、企業にとって重要なメリットを抜粋して解説します。
1. 意思決定が迅速になる
データ分析ツールを使うことで、膨大なデータから重要な情報をすばやく抽出・可視化できます。グラフやダッシュボードで傾向や異常値がすぐに把握できるため、状況判断が容易になります。これにより「どの施策を優先すべきか」「どこにリソースを投入すべきか」といった経営判断を迅速に行えるようになり、市場環境の変化に素早く対応することが可能になります。
2. 課題の把握と仮説立案が容易になる
分析ツールを活用すると、数値の変化やパターン、相関関係などが明確になります。例えば、売上低下と特定の要因の関連性や、顧客属性ごとの購買傾向の違いなどが視覚的に理解できます。これにより「なぜこの現象が起きているのか」という課題の特定と、「このような対策をすれば改善するのではないか」という仮説立案が容易になり、的確な施策立案につながります。
3. 属人化を解消できる
データ分析が特定の担当者のスキルや経験に依存していると、その人が不在の際に分析が滞ったり、引き継ぎが困難になることがあります。分析ツールを導入することで、専門知識がなくても誰でも同じデータから同じ情報を得られるようになります。直感的に理解できる形式で情報共有できるため、チーム全体での協働が促進され、組織としての分析力が向上します。
4. 新たな分析につながる
ひとつの分析結果が、別の視点や疑問を生み出し、さらなる分析につながることがあります。例えば、顧客セグメント別の分析から特定パターンに気づき、より詳細な調査を行うきっかけになるケースなどがあります。データ分析ツールは探索的な分析を容易にし、当初は想定していなかった発見や洞察をもたらします。こうした気づきがビジネスチャンスの創出や問題解決につながります。
Excelの分析ツールではビッグデータへの対応が難しいため、以降はBIツールとテキストマイニングツールについて解説します。
BIツールでできる分析
BIツールは、ビッグデータを分析できるツールであり、分析から多くの情報が得られます。その情報を自社に適した知見とするためには、自社の分析目的が明確でなければなりません。ここでは、具体的にBIツールで分析できる例を解説します。メーカーによって、分析機能が異なることもあります。
1.経営分析・財務分析
企業に蓄積されているデータをBIツールで分析することにより、ビジネスの根幹となる経営そのものを分析し、見える化できます。売上状況や財務状況などの経営分析をリアルタイムで把握できるため、迅速な経営判断が可能です。直近のデータだけでなく、蓄積された膨大なデータから導き出すことも難しくありません。
2.人事データ分析
人事関連のデータであっても、BIツールで分析できます。各社員の出退勤や残業時間などの把握もできるため、人事指導だけでなく業務改善の指針も示し、部署に伝えられます。テレワークを含むリモートワークにも対応でき、業務請負契約でも対応可能です。データや統計に基づいたBI分析により、人事や経営判断を支援できます。
3.残業分析
BIツールであれば、人事ファイルや勤怠管理システムの統合だけでなく、エクセルのデータや工数管理表など、異なるシステムデータを統合できます。社員の残業分析も容易となるため、働き方改革の関連法案で定められた残業管理も可能です。働き方改革の関連法案には、有給休暇の取得も義務付けされているため、BIツールで同時管理しましょう。
テキストマイニングツールでできる分析
テキストマイニングツールでできる分析は多種多様です。メーカーによって異なるケースもありますが、代表的なものを5つ紹介します。
1.ユーザーのトレンドを分析して把握できる
テキストマイニングツールでは、SNSなどからユーザーの声を集め分析できるため、トレンドの変化や兆しをいち早く察知できます。企業にとって重要な声や稀少な声まで、ビッグデータから発掘するため、有益な分析が可能です。
年代や性別ごとの特徴的なキーワードで分析し、企業のターゲット層のトレンドを把握できます。ターゲットユーザーが困っていること、使いやすいと感じたことなどを可視化すれば、ダイレクトにユーザーの感情を見ることができます。
2.ユーザーの体験を分析し見える化できる
テキストマイニングツールは、ビッグデータからユーザーの体験を分析することが可能です。ユーザーが体験したことを見える化すれば、マーケティングなどに役立ちます。心理学に基づいた感情軸ごとの言葉を見える化した場合、自社が提供した顧客体験の価値も分析できます。
自社がユーザーに提供した体験と、ユーザーが受け取る体験のギャップを分析すれば、提供した顧客体験の価値が分析できるため、CX改善へとつながるでしょう。ユーザーが抱く感情が、どのような評価につながっていくのかも見える化できます。
3.CSやNPS®︎の向上に役立つ
テキストマイニングツールの分析は、CSやNPS®︎の向上に役立ちます。CSとは、顧客満足度のことです。CS評価マップなどを活用すれば、各項目のCSと総合的なCSが分析できるため、CS向上を図れます。
NPS®︎は、顧客ロイヤルティを数値化したものです。NPS®︎スコアを基に、特徴的な言葉を分析すれば評価ポイントを確認できるため、NPS®︎向上に役立ちます。CSやNPS®︎の向上は、ユーザーの感動体験や高い満足を提供するために不可欠です。
関連記事:NPS®︎(ネットプロモータースコア)とは?顧客満足度との違いや計算方法を解説
4.ネガティブキーワードを分析しリスクを検知する
企業にとってリスク管理は大切ですが、これまでは自然災害や情報漏洩などが主要なリスクでした。今後は、商品が売れなかったり、サービスを契約できなかったりするなどのリスク管理も重要です。
テキストマイニングツールは、ソフト面のリスクを検知できます。ネガティブキーワードを捉えて分析することで、売上の減少を回避できる可能性があります。過去の定性データや推移をもとに、急騰性の高いネガティブキーワードを検知し、クレームが多い商品やサービスを分析すれば、売れない理由を把握できるでしょう。
関連記事:リスク検知の基本とデジタルマーケティングでの活用法
5.新商品や新サービスのアイデアを生み出す
商品やサービスに関連する消費傾向や購買動機などを分析し見える化すれば、新しい商品、新たなサービスのアイデアになります。テキストマイニングツールなら、自社と他社の商品を比較した際の特徴的な言葉も分析できるため、他社との差別化に役立つでしょう。
具体的な口コミやユーザーのニーズ、困りごとなどを分析すれば、商品改良のヒントになります。ユーザーがどのような理由で商品を購入したり、購入しなかったりするのかを分析できるため、売れた理由・売れなかった理由が把握できます。
データ分析ツールの選び方
データ分析ツールは、多くの企業が開発しているため、選び方が大切です。ここでは、選び方について解説します。
1.自社に適した分析結果が得られるか
分析ツールを選ぶときは、自社に適した分析結果が提供できるかを確認しましょう。企業によって、分析結果の活用方法は異なるため、提供する側もさまざまな分析結果を表示してくれます。その中から、自社が活用しやすいものを選択することが大事です。分析に必要なデータの提供があるかも確認しておく必要があります。
2.簡単に操作できるか
データ分析ツールを選ぶ際は、操作性も重要ポイントです。データ分析ツールは長く使うツールであるため、使いにくいものを無理に使うよりも、初めから使いやすいものを選ぶほうが慣れるのが早いでしょう。実際に担当者に使わせてみて、問題なく使えるかを確認しておくことが大事です。無料トライアルや無料デモンストレーションを使えば、経費を抑えられます。
3.ランニングコストは適正か
分析ツールはイニシャルコストがかかるものが少なく、無料の場合もあります。肝心なのは、ランニングコストです。機能を追加したり、分析する対象やユーザーの数が増えたりすれば、追加のランニングコストがかかるケースも少なくありません。自社が必要としている機能と数量を正確に把握して、ランニングコストが適正かを検証することも大切です。
4.安心できるサポートを受けられるか
データ分析ツールを提供する事業者によって、サポート内容は大きく異なります。自社が求めるサポートを提供する業者を選ぶことが大切です。事業者によっては、分析ツールの使用方法やどのような分析があって、何に役立つのかをセミナーなどで説明してくれるケースもあります。自社の社員が、安心して分析ツールを使用できるような事業者を選びましょう。
まとめ
分析ツールには、いくつもの種類があります。ビジネスで活用するのであれば、目的に合わせてBIツールやテキストマイニングツールを選択しましょう。業務の効率化関連ならBIツール、マーケティングや商品開発関連はテキストマイニングツールの導入がおすすめです。
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