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「宣伝会議賞」応募作品をテキストマイニング! 頻出ワードから見えた発見とは

第58回「宣伝会議賞」の最終審査、贈賞式が3月12日に終了しました。
今回、宣伝会議では初の試みとして、プラスアルファ・コンサルティングが提供するツール「見える化エンジン」を活用し、応募作品の“テキストマイニング”を実施しました。

一部結果のレポートが、宣伝会議が運営するコミュニケーション分野を取り巻くニュースや情報を発信する広告界・マーケティング界に特化したWebメディア「AdverTimes(アドタイ)」に掲載されました。

日本最大規模の公募広告賞である「宣伝会議賞」、第58回目である本年度は、61万7203点もの応募作品が集まりました。

宣伝会議は多くの応募作品の中にある“言葉”を分析することで、新たな発見があるのではないかとの考えから、初の試みとして“テキストマイニング”を実施しました。

テキストマイニングとは、文章からなるデータを単語や文節で区切り、それらの出現頻度や共に出現する単語の相関、出現傾向、時系列などを解析するテキストデータの分析方法です。
企業がカスタマーセンターなどに集まった顧客の声を分析し“見える化”することで商品やサービスを改善し、よりよい顧客体験を提供することを目的に実施されるケースなども多くあります。

今回の分析には、顧客の「声」や購買データ、人事情報などのビッグデータを見える化する「テキストマイニング」「データマイニング」を核としたクラウドソリューション事業を展開するプラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」を活用しました。

「日本情報経済社会推進協会」課題のテキストマイニング結果

日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は、第58回宣伝会議賞に「『プライバシーマーク』を多くの人に知ってもらうためのアイデア」という課題を発表しました。
 集まった応募作品を「見える化エンジン」で解析した結果、以下のようなマッピングとなりました。

(図1)上位40単語のマッピング。青色の円で囲まれた単語が上位40単語。


(図2)マッピングをプラスアルファ・コンサルティングが分類。


プラスアルファ・コンサルティングのコンサルタントの分析によると、マッピングから「住所」「子ども」「名刺」など、保護してほしい個人情報の具体例や、プライバシーマークに付随する社会や信頼に関する言及が多く見られたといいます。

また、集まった応募作品で使用されている単語をランキング化したところ、最も使用されていたワードは「個人情報」で、後には「マーク」「守る」と続いていました。

形容詞のみのランキングでは「良い」、動詞のみのランキングでは「守る」が最も使用されていたとわかりました。

(図3)「名詞」「形容詞」「動詞」総合単語ランキング(1位~10位抜粋)


(図4)左から「名詞」「形容詞」「動詞」個別の単語ランキング(1位~10位抜粋)


「係り受けの関係性」も見える化可能

プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」の特徴のひとつが、「係り受け(=言葉と言葉の関係性)」も可視化できる点です。
「名詞」と「動詞」、「名詞」と「形容詞」など、それぞれの単語がセットで使用された数・割合も知ることができます。

(図5)「係り受け(名詞-形容詞、名詞‐動詞)」ランキング(1位~10位抜粋)


日本情報経済社会推進協会の課題への応募作では、「個人情報-守る」「プライバシー-守る」「情報-守る」がベスト3となり、すべての名詞に「守る」という動詞が係っています。

(図6)「係り受け」ランキングの分析


「係り受け」ランキングについてプラスアルファ・コンサルティングは、ランキング5位の「口-堅い」と10位の「個人情報-流出する」に着目しました。
「口が堅い」といった擬人化を用いた言及や、個人情報関連であえて不安をあおるような言及が特徴的であると述べています。

日本情報経済社会推進協会の福岡峻氏はこれらの結果を見て、想像以上にポジティブなワードが多かったことに驚いたと話していました。

 “「当協会の商品の性質上、また個人情報について注目される機会は漏えい事故が発生した場合などが多いことから 、『ネガティブな表現』『堅い表現』が多くなるだろうと想像をしていました。しかし、『形容詞』の頻出単語を見ると、『良い』『大切だ』『必要だ』といったポジティブなワードが上位を占めており純粋に驚きました。会社として、『プラスの感情に訴求したい』という思いがあったので、大変嬉しかったです。一方で、『堅い表現』は予想通り多い結果に。これは、当協会が作成しているコンテンツの印象も影響していると感じます。『噛み砕くとどう表現できるか』を、これから考えていく必要があると課題感を持つことができました」(福岡氏)。”

今後はクリエイティブなどを検討する際、「堅い」表現を意識的に和らげることで心理的ハードルを下げ、多くの生活者に「自分ゴト化」してもらうためのコミュニケーションをとりたいと展望を語りました。

「見える化エンジン」ではこのように、一般の生活者が企業に対して抱いているイメージや期待を可視化することで、企業が持つ顧客体験価値を整理することができます。

さらに、企業自身が自社の提供価値だと考えていたことと、生活者視点でのイメージのギャップを明確にすることで、新たな方針の策定や、コミュニケーション方法の検討につなげることができます。

見える化エンジンについて

見える化エンジンは企業と顧客のギャップ把握で顧客体験を推定し、人の創造力を最大限に引き出すデータ活用ソリューションです。
導入実績9年連続日本一を誇る技術・ノウハウで、顧客体験の向上においては、生活者の気持ちや認識、さらには感情を購買プロセスや満足感ごとに分析、商品力強化や顧客サービス改善、プロモーションの効果検証などに寄与します。