導入事例

概要

データはアクションにつながらなければ意味がない。
お客様の声を本当に活かせるデータ分析を目指して

データ分析の方向性を「お客様の声を活かす」ことにシフトし、そのための仕組みづくりを行う中で「見える化エンジン」を導入。それまでデータ領域に不慣れだった社員においてもデータ活用が活発化し、大小様々なアクションが社内で生まれている。

株式会社アダストリア
執行役員 マーケティング本部長 田中順一氏/マーケティング本部 WEB事業部 マネジャー 坂野世里奈氏
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事例詳細

導入前の課題 導入前の課題

  • データの可視化に時間がかかり、データの大きさによってはひとつの分析結果を出すのに半月かかることもあった
  • エクセル等を使って定量で示す数字の分析結果は内容がつかみづらく、飲み込むまでに時間がかかるため、分析した結果をただ見て終わるパターンも多かった
  • データは大量にあっても、上記の理由でなかなか「次の行動」につながりにくかった

導入の理由 導入の理由

  • データ分析のプロでなくても誰でも使える操作性の良さ、使いやすさが優れていた
  • 分析結果の表現がビジュアル的にわかりやすく、すぐにアウトプットをつかめることは、分析結果を伝える側・受け取る側の双方にとって大きなメリットだった
  • 機能が充実しているので、気になるところを様々な角度から深掘りできるのが魅力だった

導入後の成果 導入後の成果

  • 可視化が容易にできるようになったことで、経験の浅い社員も積極的にデータ活用に取り組むようになり、若手社員のアクションが増えた
  • 「見えること」が増え、各部門でアウトプットを通してディスカッションが生まれるようになった。社員が同じ方向を向いて何かに取り組む時の「共通言語」としても役立っている
  • 商品やサービスの改善、商品開発、店頭やECサイトでのプロモーション等、幅広くデータが活かされている
分析に時間がかかり、アウトプットもイメージしづらい。
なかなか行動につながらなかった従来のデータ分析

分析に時間がかかり、アウトプットもイメージしづらい。
なかなか行動につながらなかった従来のデータ分析

グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなど名だたる数々のファッションブランドを擁するSPA企業、株式会社アダストリア。同社では2年前にデータ分析の方向性を大きくシフトしました。

「時代の変化がスピードを増すとともに、我々の事業課題もどんどん変化していきます。それらに対応していくには、何かアクションを起こすにあたりスピード感も精度も上げていかなければなりません。そのためには何が大切なのだろう?と改めて考えた時、やはり「お客様の声」が重要なのだと考えたことが、データ分析においてVOCを活用しようという方向にシフトした背景にあります。まず声を吸い上げる仕組みを作り、次のステップとして吸い上げた声をどう活かしていくのか、分析の方法について検討しました」(田中氏)

データは大量にあるものの、従来の方法ではひとつの分析に時間がかかりすぎたり、アウトプットも数字だけのデータでは見えにくかったりと、課題が多かったそうです。

「可視化に時間がかかり、分析結果が直感的につかみにくいために共有にも時間がかかる。ただ分析して終わりというパターンも多く、データが具体的に活かされることもあまりありませんでした。いくらデータ分析をしても、それらが次の行動につながらなければまったく意味がないと僕は思っていて、そこに対して変えていきたい思いもありました」(田中氏)

3秒で直感的につかめて深掘りもできる。
誰が見てもイメージしやすいのが、見える化エンジンの分析

3秒で直感的につかめて深掘りもできる。
誰が見てもイメージしやすいのが、見える化エンジンの分析

分析方法、アウトプットの課題を解決するひとつの手段として、言語分析ツールの導入を検討したのはマーケティング本部の坂野氏。これまでの課題を踏まえて3つのポイントでツールを選定し、見える化エンジンに決めたと話します。

「まずは使いやすさ。過去にあったのですが、難しいツールを導入しても担当者だけが使えるようになり、人が変わったらもう使えなくなる。それは避けたいと考えました。次いでアウトプットのわかりやすさ。見える化エンジンは分析結果の表現がビジュアル的に非常にわかりやすく、私自身も周囲に対して説明がしやすいですし、見た人もすぐに理解できるのでアクションにつながりやすいのが魅力です。もうひとつのポイントは深掘りのしやすさ。分析結果を出すと「ここはどうなっているの?」と追って聞かれることも多いのですが、見える化エンジンは機能がとても充実しているので、それらを駆使して様々に深掘りをしています。まず入り口としてマッピングで大きな声を拾い、そこから掘っていきたい時にポジネガ分析、クロス分析、時系列機能などを重宝しています」(坂野氏)

「見える化エンジンの表現、とくにマッピングはパッと見て3秒あれば十分と言えるほど直感的につかみやすく、とても好きです。もちろんそこから定量のデータで深掘りしていくことも大切ですが、セクションを超えて様々な人が見るうえでデータが何を示しているのか直感でイメージしやすいというのはとても重要です。見える化エンジンを導入して以降、データを共有し、行動へつなげていくという流れのスピード感は確実に上がったと実感しています」(田中氏)

「お客様がこう望んでいるから行動する」という軸になり
データは社員たちのモチベーションにも寄与している

「お客様がこう望んでいるから行動する」という軸になり
データは社員たちのモチベーションにも寄与している

お客様の声を活かすことに注力すべく、データ分析のあり方を見直し、システムを整え直した同社。データ分析が活きていると感じるひとつのポイントに、社員たちの変化があると話します。
「データはその道のプロでなければ扱えないと考え敬遠する人もいますが、僕は決してそんなことはないと思うんです。実際に、見える化エンジンを導入したことで、経験の浅い若手社員も積極的にアウトプットできるようになりました。それは彼らにとって自信につながります。僕たちはファッションを扱う企業ですから、社員もある意味でお客様と等身大を求められる。だからこそ、定性的な「自分の感覚」と、可視化された「定量のデータ」のバランスがとても重要なのです。小さなものから大きなものまで、企画や提案が以前より増えてきているということは、若手社員の間で「データ×ユーザー視点での感覚」の掛け算がうまく活きているのかなと思います」(田中氏)
「取っ付きにくかったデータ分析という分野が、見える化エンジンで身近になり、ビッグデータを誰もが分析しやすくなりました。以前はレポートを見て「うんうん、なるほど」で終わっていたのが、アウトプットを通して各部門でディスカッションが生まれています。見える化エンジンで「見えること」が増え、お客様の声を活かそうという風土が浸透してきたのではないでしょうか。見える化エンジンでのアウトプットからアクションを起こした成功例を知り、「うちの部署でも分析してほしい」と依頼されることがとても増えていることからもその変化が窺い知れます」(坂野氏)
また、可視化されたデータは社員たちのひとつの「共通言語」としても役立っていると田中氏は話します。
「これに取組んでほしい、改善してほしいという時に、現場が「なぜそれをやらなければならないのか」腹落ちすることはとても重要だと思っています。データというひとつの軸を持つことで、上の立場の人間が言っているから、あるいは誰か一人の思いつきからではなく「お客様がこう言っているのだから」「お客様がこう望んでいるのだから」と同じ方向を向きやすくなる。そういったメリットもあるのではないかと思います」(田中氏)
「弊社の大ヒット商品のひとつにグローバルワークの『ウツクシルエットパンツ』という商品があります。これはまさにお客様の声から改良を重ねて商品企画にデータを活用しています。プロモーションや店頭販売においても、各ブランドの担当がお客様の声を軸にそれぞれ試行錯誤し、戦略を立て、アクションを起こしたことで大ヒット商品に育っていったという良き事例です。ほかにも見える化エンジンを使うことを想定し、お客様からどのようなデニムがほしいかたくさんのフリーコメントを集めて商品化につなげたデニムなど、商品開発や改善においてデータは様々に活きています。 また、お客様の声をもとにバナーやアイコンを追加するなど、ECサイトでのプロモーションといった面でも大いに役立っています」(坂野氏)
「コロナ禍では、それまでリアル店舗で商品を手に取ってくださっていたお客様がECサイトを利用してくださるようになり、「リアル店舗のように手に取れない分ディテールがわかりにくい、もっと生地感などを知りたい」といった声が非常に増えました。その声の大きさを知り、ECサイトのほぼすべての商品に動画を付けて、できる限りディテールが伝わるよう改善したところ、わかりやすくなったという声が届くようになりました。それもデータが活きたひとつの例です」(田中氏)

「見える化エンジン」なら痒いところに手が届く。
今後はお客様が望む「半歩先の提案」を。

「見える化エンジン」なら痒いところに手が届く。
今後はお客様が望む「半歩先の提案」を。

見える化エンジン導入後、日ごろ顧客接点のない社員も自部門に対するお客様のリアルな声をキャッチしやすくなり、様々な気づきが生まれているようで、「そういった風土がとても大切である」と田中氏は語ります。お客様の声を活かす風土が育ちつつある中、今後はどのような展開を思い描いているのか両氏にお聞きしました。
「テキストデータの扱いに悩む企業は多いと思いますが、私たちは見える化エンジンを使うことで、思いもしなかったお客様の声に気づき、多くの発見を得ました。30以上のブランドがあり、現場のチームと一緒に課題を考え分析しています。現場の細やかな課題に対してかゆいところに手が届くような分析ができるのは、見える化エンジンのようなツールなのではという実感があります。今後はデータの深掘りのその先、とくに肯定・否定に関する分析などは難しく、今は機能をカスタマイズしながら対応していますが、今後より自由度高く分析ができるようになっていくといいなと考えています。また、他社のBIツールと組み合わせることでさらに見えること、見える人が増えていくと、もっと活用が広がっていくのではないかと期待しています」(坂野氏)
「今はお客様の声を分析し、それらのデータをサービスや商品の「改善」に役立てることがメインではありますが、今後はそこからもう少し先を目指して「提案」することにもっとつなげていきたい。データを活用することで、お客様が望む半歩先のものを提案できると面白いのではないかと考えています」(田中氏)

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